黒と茶の幻想 (Mephisto club)

3.72
  • (212)
  • (202)
  • (407)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 1395
レビュー : 233
著者 :
一樹さん 恩田陸   読み終わった 

再読。恩田作品の中でも一番好きかも知れない。
学生時代の同級生が卒業後十数年を経て、仲間の送別会をきっかけにY島への旅を企画する。
本間節子、辻蒔生、利枝子、三崎彰彦。利枝子と蒔生はかつて恋人同士だった。皆今はそれぞれに家庭を持っている。
旅のテーマは「美しい謎」過去の謎をそれぞれに持ち寄って、旅の間に解決しようと彰彦が提案する。

過去の謎、太古の森への旅。私の大好きなテーマがぎっしり詰まって、まさに宝石箱のよう。恩田世界にどっぷり浸れます。
以下ネタバレ

利枝子と蒔生が別れた原因となる女性に梶原憂理が登場。
「麦の海に沈む果実」で理瀬のルームメイトだった子。彼女の一人芝居ではあの寄宿学校での麗子とのエピソードが語られる。憂理は利枝子の親友だった。何故蒔生は恋人の親友を好きになったのか?憂理は何故姿を消したのか?生きているのか?
彰彦は何故紫陽花が怖いのか?高校時代の親友の友紀が死んだ事を忘れていたのは何故なのか?
節子の夢に度々現れる紫の割烹着の女性は誰なのか?
それぞれが胸に抱いた過去の亡霊が紐解かれていくのがとても面白い。
そして随所にちりばめられた小さな謎解きにもうーん、とうならせられる。
4人が一人ずつ語っていく形式なので、それぞれがお互いに抱いている思いが微妙に擦れ違っていたりして、何気ない会話やエピソードがものすごくツボ。
観光案内としても秀逸。今すぐに屋久島にいってみたくなる。
最初から最後まで一語一句全てが美酒。

レビュー投稿日
2011年2月4日
読了日
2011年2月4日
本棚登録日
2011年2月3日
2
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『黒と茶の幻想 (Mephisto clu...』のレビューをもっとみる

『黒と茶の幻想 (Mephisto club)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『黒と茶の幻想 (Mephisto club)』に一樹さんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする