残虐記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年7月30日発売)
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感想 : 385
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25歳の男が10歳の少女を誘拐監禁した話。

あぁ、埼玉草加で実際起きた事件を思い起こした。

誘拐された少女が犯人になにをされたのかという
他人の卑しい妄想をシャワーのように浴び
少女は分厚い鎧に覆われ決して中身を見せなくなる。

理不尽な目に遭った子供は必ずやなにかで
精神の欠落や心の傷を補おうとするところから始める。
そうでなければ生き残って大人になることは不可能。
欠落はむしろ素晴らしいのではないか。

しかし、
10歳の少女と25歳の男との間に恋が成り立たないと
考えるのは大きな間違いである。

人の心はなんと面妖な変化を遂げるものだろうか。

人間の恐ろしい所為とは想像であるというが
人間が想像力を失ったらどうなるのかねぇ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年3月9日
読了日 : 2018年3月9日
本棚登録日 : 2017年11月7日

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