とっぴんぱらりの風太郎 上 (文春文庫 ま 24-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2016年9月2日発売)
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天下は豊臣。なれどその時代はすでに戦国の世から、戦のない
徳川へと移り変わろうとしている。そして戦う武器すらも
刀から銃や砲へと変わっていくとあっては、伊賀の忍び忍者稼業も
もはやお呼びではなくなるのであろうか.....

ただでさえ決して優秀とはいえず、しがない伊賀忍者の端くれ
風太郎(ぷうたろう)にとっては死活問題。
ある仕事に失敗したことがあだとなって、風太郎は忍びの職を追われ
ニートとなってしまうのだ。風太郎(ぷうたろう)ならぬプータロー。
その名を地でいくはめになってしまうとは~。(笑)

京の都のはずれ、吉田山の麓にあるあばらやに住み、その場かぎりの
日雇いの仕事をしながらのらくら暮らす、そんな風太郎の前にある日突然
"因心居士(いんしんこじ)"と名乗る瓢箪のものの怪が表れて──

そのものの怪(因心居士)は
"瓢箪の種を蒔いて育てよ" と告げる。

なまけた暮らしにうだつの上がらない青年(二十歳)風太郎の目の前に
突然ものの怪が表れ説教させられて、おまけに"種を蒔いて育てよ"だなんて
まるで日本むかし話かおとぎ話かのような始まり。忍びの世界とはいえど
コミカルに話が進んでとても和ましい展開が続く上巻です。

されど忍び。
大坂の陣を目前に、一度は職を追われたはずの風太郎にも
忍びの影が密かに忍び寄っていたのでした。

つづく...。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年1月6日
読了日 : 2017年12月6日
本棚登録日 : 2017年12月18日

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