
都内で男性の刺殺体が発見された。7カ所も刺されていた上、金目のものが盗られている様子もないことから怨恨か通り魔による殺人と思われる。風評被害に襲われる被害者の妻子、名前や身分を偽られていた愛人。一番悲しいのは一体誰なのか。事件は思いもかけない方向に転がっていき……。
天才でも良い人でも見目麗しくもない刑事たちってなんか珍しい。全体的に重く、じめっとしている。登場人物たちの鬱屈が生々しく、思惑が絡み合うのが面白かった。前半後半の内容にギャップがあって、二本の話を読んでいるようだったけれど、女たちのどうしようもなさは一貫していてよかった。愚かで悲しい後味の悪いラストだったけれど、目が覚める人もいてよかった。
- レビュー投稿日
- 2017年4月16日
- 読了日
- 2017年4月16日
- 本棚登録日
- 2017年3月16日
『いちばん悲しい』のレビューへのコメント
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