悪文 伝わる文章の作法 (角川ソフィア文庫)

著者 :
制作 : 岩淵悦太郎 
  • KADOKAWA (2016年10月25日発売)
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感想 : 41
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「教養はチカラだ」フェアで気になった本
-重要なメールの文章に自信が持てないときにー

わかりやすく、しかも限られた文字数で、伝わる日本語を書くにはどうすればよいのか?そんな普遍的な悩みに答えるため、国語学者たちが本書を執筆したのは1960年のこと。以来半世紀、メール、ツイッター、LINEなど文章を書く機会に事欠かない現代にこそ必読。語順や助詞、句読点などのわずかな違いで文章をぐっと読みやすくする秘訣を、実例とともに明かすロングセラー。


■悪文をさけるための五十か条■

【文章の組み立てに関するもの】
1 読み手に何を訴えようとするか、その要点をはっきりさせる。
2 読み手のことを考えて構想を立て、その構想によって各分節ごとに段落を設ける。
3 文章の展開は、なるべく素直で、自然な順序にする。
4 長い文章では、結論を予告する。
5 長い文章では、小見出しを活用する。
6 文と文との接続には、接続詞や指示詞をうまく使う。
7 接続助詞の「が」は、安易な使い方にならぬよう注意する。
【文の組み立てに関するもの】
8 長すぎる文は、適切にくぎる。
9 一つの文の中に、二つ以上の違った事項を盛りこまないように注意する。
10 文脈のくいちがいを起こさないように注意する。
11 複雑な内容を表す場合、中止法をあまり長く連ねると読みにくくなる。
12 いろいろな意味にとれる中止法は使わない。
13 いったん中止したものがどこへつながるかをはっきりさせる。これには句読点のつけ方を工夫する必要がある。
14 主語と述語との照応関係をはっきりさせる。 特に、述語をぬかさないようにする。
15 主語と述語との間は、なるべく近くする。
16 文の途中で主語をかえるときは、その主語を省略してはならない。
17 並列の場合は、何と何とが並列するかをはっきりさせる。
18 同じ形で同じ意味の助詞を、二つ以上一つの文中に使わない。
19 必要な助詞を落とさない。
20 副詞の呼応を明確にする。
21 修飾語と修飾される語とは、なるべく近くにおく。
22 修飾語のかかっていく先をはっきりさせる。
23 打消の語によって打ち消されるものが何であるか、まぎれないように注意する。
24 長すぎる修飾語をつけない。
25 修飾語が長くなるときは、別の文にする。
26 受身形をなるべく少なくする。
【語の選び方に関するもの】
27 意味の重複した表現や、あいまいな用語を整理する。
28 持って回った言い方をさける。
29 相手に誤解されるような不正確な語は使わない。
30 ひとりよがりの新造語や言い回しをさける。
31 文章全体のバランスをくずすような、ちぐはぐな用語をさける。
32 読み手の立場を考えた用語法をとる。特に、読み手に指図する表現の場合は注意する。
33 事実とぴったり合った表現をする。
34 比喩の使い方が適切であるかどうかを、考え直してみる。
35 慣用のある用語法に注意する。
36 翻訳調をさける。
37 堅すぎる漢語・文語・専門用語は、やさしい表現に言いかえる。
38 外来語・外国語を乱用しない。
39 口ことばの場合は、耳で聞いただけですぐわかるようなことばを使う。 特に同音異義語には注意する。
40 耳なれない略語は、使わない。
【敬語の使い方に関するもの】
41 できるだけ平明・簡素な敬語を使う。
42 候文体などに使われた、敬意をもつ特別の漢語を乱用しない。
43「お」をむやみにつけない。
44 同じ文章の中で、「お」をあまり続けて使わないよう注意する。
45「お…する」などの謙譲語を、誤って尊敬語として使わない。
46 尊敬語を二重に使わない。
47 必要な敬語は落とさない。
48 同じ文章の中の敬語形が不統一にならないよう、注意する。
49「です・ます」調と「だ」調とは、原則として混用しない。
50 特別の効果をねらう場合には、「です・ます」調の中に「だ」調をまじえてもいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: [8]言語
感想投稿日 : 2019年1月22日
読了日 : 2019年1月22日
本棚登録日 : 2018年4月23日

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