過去には戻れない、というメッセージを含んだ短編集。それぞれの登場人物たちがふと過去を顧みるシーンがどの作品でも印象的であり、キーになっています。
こういうコンセプトの短編集はおもしろいなあ。
お気に入りは「前進、もしくは前進のように思われるもの」。
その次が「洋一も来られればよかったのにね」。報われない恋の話が好きなので。
「どこでもない場所」も。あの真夜中から夜明けにかけてのふわふわしたした雰囲気は、誰だって一度は経験したことがあるはず。 そんな楽しい時間を思い出させてくれるお話でした。
最後の「そこなう」はつらかったけど、それ以上に印象的でした。いいことも悪いことも含めて時間は何もかも風化させてしまうのだと感じます。
ひとつひとつが秀逸な作品、というわけではないけど、全編読み終えたときに不思議な読後感が残ります。
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カテゴリ:
literature
- 感想投稿日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月2日
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