同世代の、ブルンジ生まれの、フランスとルワンダのハーフの人の自伝的小説。作者がラッパーなので、ポンポンと繰り出される文章は短く、詩的で、ぐいぐいと引き込まれる。原語(仏語)で読めれば良かったのだろうけど、日本語訳でも読み応え十分(訳者さんすごい)。
なぜ内戦が激化するのか分からなくて混乱していく主人公の様子はとても正直でリアル。90年代、私がのうのうと行きていたときにこんな風に子ども時代を奪われていった人たちが同世代でいたのかと思うと、教科書やルポでは得られないリアリティをもって、内戦やジェノサイドの恐怖が迫ってくるようだった。折にふれて描かれるブルンジの光景はとても壮大で和やかで鮮やか。
姉からのいただき物。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
90 文学
- 感想投稿日 : 2019年7月7日
- 読了日 : 2019年7月7日
- 本棚登録日 : 2019年7月7日
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