戦中の満州国において、夜の帝王として名をはせた甘粕正彦氏を追ったノンフィクション(!?)作。大杉事件で背負ったものを死の瞬間まで背負い続けたであろう甘粕氏の、奇妙な人生を多くの資料・証言をもとにくみ上げた労作。前半は窮屈な印象だったが、満州入りしてからの後半は意を決してのことか伸びやかな印象が残る。
それにしても、甘粕正彦という人物は、輪郭が捕らえにくく、分からない人には妖怪のように見えるのであろう。実際には当時の一般人よりさらに天皇崇拝の程度の高い人だったのだろう。それゆえに、数奇な一生を歩んだということだろうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2019年6月2日
- 読了日 : 2019年6月2日
- 本棚登録日 : 2019年3月18日
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