バーナデット・ワッツの『赤ずきん』を持っているが、ポール・ガルドン版も好きで、図書館でよく借りる。
〈絵〉
ワッツ版赤ずきんちゃんは、幼子のまどろみの世界からようやく半分目覚めたかのような、ふんわりとした印象の女の子。
ガルドン版赤ずきんちゃんは、時々大人びた表情をする、しゃんとした印象の女の子。絵に動きと迫力があり、結構ポップ。
どちらの絵も好き。
赤ずきんちゃんが歩く森を、それぞれがどう描いているかを見比べるのも楽しい。
〈文〉
昔話の読み聞かせをしていると、子供には難しい言葉や言い回しがよく出てくる。
その点、ガルドン版は気が利いていて、一文一文が幼児にもよくわかるよう練られている。読み聞かせしやすいので、ありがたい。
粗悪なダイジェスト版ではなく、平易で、品があって、しっかりと面白い物語の文章なのが良い。
ワッツ版は、やや古風な文章が醸し出す、いかにも昔話らしい雰囲気が魅力。メルヘンチックだが暗めの色調の絵ととても相性がいいと思う。
普段あまり使わない言葉や多彩な表現に触れるのも読書の魅力だと思うので、こちらもやはり良い。
娘はガルドン版、私はワッツ版がお気に入りだが、それぞれ違った魅力で、どちらも良い昔話絵本だと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年5月3日
- 読了日 : 2022年1月14日
- 本棚登録日 : 2022年1月14日
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