定本 日本の喜劇人

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本棚登録 : 66
レビュー : 4
著者 :
yuu1960さん  未設定  読み終わった 

本屋の棚にあることはだいぶ前から気付いていたけれど、しばらくためらっていた。たなぞうの感想コーナーを読み、購入を決意。
既読の部分が多かったが、定番というべき評論と思う。植木等、藤山寛美、伊東四朗について取り上げた評論など読み応えあり。単行本として刊行されていた渥美清や横山やすしについての評論が内容が濃い。

著者にしか書けない話。人を呼んだことのない渥美のアパートで著者は喜劇論議で夜を明かす。直接の利害関係がなく、同好の士として気が合う二人。しかし、著者は友人ではないと云う。極端な個人主義ということでは似たもの同士のように見える。

以下、引用。
こうしてみてくると、彼が森繁よりはるかに幅のせまい役者であることは明らかであろう。(中略)渥美清は、まず、大学を出た人間を演じられない。さらに現代的な知的悪役ができない。(中略)フーテンの寅という人物は、現実の渥美清と正反対の人物像のようにみえるが、どこかでヘソの緒がつながっているにちがいなく、それはスケールこそちがうが、ドライな生活者チャップリンと、彼が扮する感傷的な浮浪者チャーリーとの関係に似ているかもしれない。
こうした冷静な分析には痺れた。
他にもこんなエピソード。
・某有名俳優の渥美へのいやがらせ。(へ〜、そんなことが。)
・ある喜劇俳優に俺の映画どうだったと詰問され、ともかく誉めたら、渥美からどういうことだ、と詰るような電話。
当時書けなかったちょっと驚く話も多い。勿論、まだ書けないこともあるとのこと。
だけど、既刊の日本の喜劇人にあったような写真が全然無いというのは、どういうこと。

レビュー投稿日
2010年9月25日
読了日
2010年9月25日
本棚登録日
2010年9月25日
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