ドリアン時代のエッセイには頷かされることも多かったので、小説も期待して読み始めたのではあるが、正直、小説としてはまだまだ発展途上にあるという印象を受けた。
生意気言ってごめんなさい。
物語に加わって来る作者の意図(ここらで一発泣かせてやろうとか、ここで感動させようとかの作為的な感情操作)が隠し切れず、行間からあからさまに透けて見えてしまうことにイヤな感じを受けてしまう。
読み手としては見えないようにもっと上手く隠しておいて欲しいところ。
各章の並びと執筆の年代は前後するが、読み進むにつれこなれ最初に感じたイヤらしさは薄れ、川辺の町の物語そのものを愉しみながら、そこに込められた作者の想いを感じることができるようになった。
あの物語のあの人がという箱庭的な感動は希薄ながら続編やサイドストーリーへの期待は募る。
既にあるのかもしれないけれども。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年12月28日
- 読了日 : 2016年12月28日
- 本棚登録日 : 2016年12月28日
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