人間失格 (新潮文庫)

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本棚登録 : 15975
レビュー : 1946
著者 :
三船吉光さん 純文学   読み終わった 

初めてコレを読もうとしたのは、中学生の時。薄っぺらいから簡単に読めるだろうと思ってたのが間違いだった。意味分かんない、全く頭に入ってこず、速攻投げたのである。
ところが、最近プライベートでうまくいかずモヤモヤして、人生もう嫌んになってきた時、ふとこの「人間失格」が思い浮かんだ。そして、再度、読んでみた。
すると、今回はスラスラと読める。しかもそれは、その言葉1つ1つが胸に突き刺さってくるのだ。そして思わずページをめくる手が、何度も止まる部分があった。これは自分じゃないか、そんな錯覚に襲われて、衝撃を受けた。
絶望、失望、苦悩、葛藤、罪、とにかく人間の奥底にあるであろう、人間の闇が詰まっている。それらを見てるうちにふと、これはこれは自分だ、と思うのではないだろうか。そのググッとエグられる場面は、読書の年齢や職業、現在の境遇などによっても変わるだろう。
この小説は、最初と最後に登場する「私」と、手記を書いた「葉」の2つの視点で展開される。語りかけてくるような文体は、あたかも太宰が耳元で囁きかけてるような感覚に陥る。距離が近いのだ。これがより没入感を高めてくれる。
わずか300円程度の文庫でまさか、こんなにも衝撃を受けるとは思わなんだ。その衝撃はあまりにも大きく、大げさにいえば人生を変えた、いや人生を見つめ直す機会をくれたと言った方がいいかもしれない。人生の節目節目で、何回も読んでみたいと思った。
この本は「猛毒」である。この毒を少しでも心地良くいいなと思ってしまったら、それはもう太宰ワールドに引きずり込まれた証だろう。そんな奴がここにも1人居る。

レビュー投稿日
2016年3月23日
読了日
2016年3月22日
本棚登録日
2016年3月23日
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