スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

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本棚登録 : 9357
レビュー : 1065
著者 :
ゆうすいさん  未設定  読み終わった 

これだけは言っておきたい。
下巻は、絶対に読書環境を整えて読むこと。
特に終盤は、決して通勤・通学電車の中とか、ちょっとした空き時間とかに読んではいけない。
没頭できる、心置きなく感情移入できる環境を整えること。

不覚にも私は家族のいるリビングで読んでしまったので、感情移入が妨げられてしまった…。
無念。

素晴らしい物語なのになぜか☆5つ付けない自分がいる。
作中にも何度か出てくる、物語が心に響く年代というのはあると思っていて、この本に関しては残念ながら私はちょっと読むのが遅すぎたかもしれない。
それでも、とても良い物語だと思うし、これほどの壮大な話をよく書き上げたなぁと思う。

(上記、どうしても伝えたかったので、このレビューは「ネタバレ」にチェック入れてないけど、以下は人によってはネタバレだと思うかもしれないので、読む前の人は読まないほうがいいかも)

ミステリに分類してたレビューを見かけたけど、私の感覚ではこれはミステリじゃない。
謎を解くのがミステリであって、書き手によって明かされるこの本は、ちょっとミステリから外れている。
読者は真相を知るけど、登場人物の誰ひとりとして知らないままで終わるから。

その上で、ばらまかれた伏線の回収はお見事。
んでも、この作品の評価されるべきは本当はそこじゃなくて、陳腐な言い方になるけど、純粋な愛の形を書き切ってるところだと思う。
自分のことを好きになってもらいたいから、ではなく、ひたすら相手に幸せになってもらいたいから起こす行動。
無償の祈り。
好きって気持ちのごく初発的な形が描かれているから、心が震えるんだ。

でも、公輝は環の想いを知っている。
そんで、頭のイイヒトだから、スロウハイツを始めた環の本当の意図にも気づいてるだろう。
お互いの相手を思う優しさが、最後まで平行線で終わらないことを願うばかりだ。

レビュー投稿日
2018年7月1日
読了日
2018年7月1日
本棚登録日
2018年7月1日
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