せいめいのはなし

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本棚登録 : 315
レビュー : 46
著者 :
ゆぅあさん Biology   読み終わった 

1度目はだらだら借りて、延長もなんとなく面倒くさくて返却。でも、やっぱり、ふと借りたくなった。三木清の『人生論ノート』のだから何?の未読からの今回は、とても楽しく読めた(笑)

 ざっくりというと、“せいめい”はコミュニケーションで成り立っているということ。
 “せいめい”は他とのコミュニケ―ションによって出来るという。それにならって、福岡さんも細胞同士にとどまらず人間同士のコミュニケーションにより、“せいめい”の本を出版したのかな?と思った。

 4人との対談でなりたっている本で、目次がとてもよくまとまっている。対談相手の名前と共に話題がキャッチコピー的にまとめられていて、お題の詳細が記されている。目次だけであらすじを理解出来るようにまとめられていて、まさに見本だと思った。
 「こういう人がこんなこと言っていて」という具体例は、分かりやすいし、説得力があって、今後の参考にもしたいと思わせる力が強いと思う。

 最後に「献辞バートンの黄色い本に」という言葉があったが、ずっと私が気にしていた絵本を意識して書かれていた本だったとは驚きだった。バートンの本、慶君にあげようと思った(笑)

■内田樹~ぐるぐる回る~
福岡P91600年代は科学と芸術にパラダイムシフトが起った時代。ガリレオ天動説→地動説、レーウェンフック顕微鏡でミクロへの視点、ルネッサンス→バロック生々しい表現
内田P21「クラ貿易」
内田P23経済活動は人間を成熟させるための装置だった。
■川上弘美~この世界を記述する~
川上P61人間の体は主に酸素、水素、炭素、窒素→水、二酸化炭素、アンモニア
■朝吹真理子~記憶はその都度つくられる~
福岡P79記憶は瞬間瞬間で新たに作られているもの
福岡P89スピノザの世界の捉え方は、この世界はあまりに複雑でさまざまなことが起るし、予想することはできないけれども、どこかに「神の摂理」があるはず。出来事には複雑過ぎて見えないとしても、かならず因果性があり、常に原因と結果を結ぶ通路があるはず。後にアインシュタインがある宗教家にあなたは神を信じますか?ときかれ、「私はスピノザの神を信じます。世界の秩序ある調和として現れている神を」と答えている。
レーウェンフックとフェルメールとスピノサ(レンズ磨き)とアインシュタイン
朝吹P92細胞が周囲とのつながりで人体の形にまとまっていく生命現象の比喩と似た形で作品を作ったのは、フランスのシュヴァル。
■養老孟司~見えるもの、見えないもの~
養老P112DNAで分かるのは時間的な系統関係。DNAの違いだけでみると完全に塩基配列要するに、数の話になる。
養老P162解剖学「死体を分けて名前にしてる」
養老P167『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ著ソクラテスの考えを紹介しながらプラトンを槍玉に挙げて、文字言語は信用ならないという。
福岡P174個性なんてどんなものか分かったものじゃないし、環境次第で変わる。チェーホフ「風邪を引いても世界は変わる。ゆえに世界観とは風の症状だ」。
福岡P178生命とは何か。20世紀のDNAの構造解明で幕が切って落とされた分子生物学の大発展は生命を「自己複製できるシステム」と定義。
 動的平衡のキーポイントは絶え間なく入れ替わっていることと同時に、その要素と要素の関係性が相補的な関係性を保っているという、関係のあり方。
 細胞と細胞、たんぱく質とたんぱく質による、物質の交換・エネルギーの交換・情報の交換が相補性をつないでいる。
 ☆まとめ 平衡はジグソーパズルが互いに他を認識し合いながら、補完し組み合わさっているような構造。常に新しいピースと交換されているけれど、ピースとピースの関係性(細胞と細胞、たんぱく質とたんぱく質)は、空気を読みあって・コミュニケーションをとって(物質交換、エネルギー交換、情報交換)、保たれているから全体がつながっている。だからこそ、全体の絵柄がそれほど大きく変わらない。
P182交易や交換が相補性で担保されていれば、組織論を動的平衡から説明しても間違いないでしょう。
P192自分のサイズでしか科学者も科学をできないし、芸術家も芸術を描けない。

■追記
P9 1632年10月レーウェンフックとフェルメールがオランダのアムステルダムのデフルトにて生まれる。

レビュー投稿日
2015年5月26日
読了日
2015年5月26日
本棚登録日
2015年5月26日
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