ニューメキシコの北部に広がるカランポーという砂漠のような高原にて、地の利を活かして群れを率いるハイイロオオカミのロボ。牧場主や羊飼い達は家畜の被害に頭を悩ませ、カウボーイはロボをオオカミ王と称して畏れを抱きながらも敬意を表していた。
ロボは牧場主が雇うオオカミハンター達の銃から逃れ、毒餌や罠を掻い潜り、カランポーを支配していた。
シートンはこの地域の大牧場主から雇われハンターとしてロボを討つことに。
ロボのお話がシートン動物記の中で最も有名なお話だと私は思っていましたが、読んでみてまさしくそうだと感じました。
野生動物には野生動物の中の、決して人間とは相容れない、でも人間同士のそれとさして違わない、友愛というものがあるのだとよく分かりました。
シートンのお話は限りなく記録に近い創作であることは分かっていますが、ロボの、連れ合いに対する行動は決して作り話ではないのだろうと思います。そう思えば思うほど、後半は涙無くしては読めず、読後も引き摺ってしまうほどロボに魅せられてしまいました。
シートンがロボの討伐の後、動物に罠や銃を使わないと誓った、と注釈にありました。シートンにとってもロボは誇り高きオールド・ロボ(敬意あるロボ)、オオカミ王であったのだろうと思いました。
シートンはロボを討ちたくはなかっただろうなあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月12日
- 読了日 : 2022年9月12日
- 本棚登録日 : 2022年9月10日
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