神様 (中公文庫 か 57-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2001年10月25日発売)
3.76
  • (427)
  • (401)
  • (639)
  • (53)
  • (17)
本棚登録 : 4019
感想 : 508

となりに熊が越してきた。
河童と出会う。
死んだ叔父と会う。
人魚にまつわる話。

一連の短編がどうやら同じ主人公だったらしいと気づいたのは、星の光は昔の光までよんでから。

最後、熊が帰っていくのが切ない。

淡々とした日常の一枚の中、よくよく考えてみると(よくよく考えなくとも本来は気づくはずなのだが)、なんだか紙一枚くらいのずれがある(本当は次元そのものがファンタジーとしてぶっ飛んでいるのだが)。
手のひらに収まる愛しい日常をたんたんと綴ることで、哀切さが伝わってきた。

不思議な一冊。
でも、なんだか大事にしたくなるような一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 現代小説
感想投稿日 : 2017年12月17日
読了日 : 2017年12月17日
本棚登録日 : 2017年12月17日

みんなの感想をみる

ツイートする