ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)

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本棚登録 : 418
レビュー : 39
制作 : 片山 敏彦 
yuzlogさん 海外文学   読み終わった 

ロランによるベートーヴェンの伝記部分と、
ベートーヴェンと友人達の手紙のやりとり、
ベートーヴェンの思想断片、
そしてベートーヴェン記念祭でのロランの講演、
複数の角度からベートーヴェンについて書かれている本。
ただ、ロランの愛情たっぷりで少し偏っているかもしれない。

『ミケランジェロの生涯』と同じく、悲劇的な側面を大きく取り上げている。
ベートーヴェンが生み出した曲の裏側にある苦悩。
彼を最も苦しめたのは音楽家には致命的な耳の病気。
それに立ち向かう力強い姿と、孤独のうちで苦しむ姿。
筆不精なベートーヴェンが友人に送った手紙から、苦悩が伝わってくる。

ベートーヴェンは自分の障害を乗り越え、曲を残すことによって、他人に役立ちたいと考えていたという。
そしてその曲たちは現代までその役目をしっかり果たしている。
ベートーヴェン歿後100年の記念祭(ウィーン)でのロランによる講演の一節。

この勝利は孤独な一人の人間のもののみにとどまらない。それはまたわれわれのものである。ベートーヴェンが勝利を獲得したのはわれわれのためにである。彼はそのことを望んだ。p.172『ベートーヴェンへの感謝』

一番しびれたのは『第九交響曲』が生まれるエピソード(p.63-68)。
初演では聴衆が泣き出すほどの感激を巻き起こし、演奏会のあと、ベートーヴェンは感動のあまり気絶したという。まさに歓喜の瞬間。

悲劇のうちから歓喜を造りだした、熱い生涯。

ベートーヴェンについて、もっと知りたくなった。

レビュー投稿日
2013年6月29日
読了日
2011年5月17日
本棚登録日
2013年6月29日
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