フェオファーン聖譚曲 op.III 鮮紅の階

  • サンクチュアリ出版 (2021年1月16日発売)
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感想 : 1
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フェオファーン・シリーズの第3弾。前作までで世界観と主要登場人物たちのキャラクタ造形が見事に描かれていた。物語は序盤であったが、様々な事件がスピーディに展開していき非常に面白かった。そして第3巻目である。あれだけ緻密に構築された世界観がさらに広がりをもって展開していくことに驚きを感じている。ロジオン王国だけでなくスエラ帝国までもが物語の中枢に絡み始めた。なんとも身震いする展開ではないか!対立構図が数多く盛り込まれ、それぞれに大きな物語を内包しているさまは、まさに壮大な歴史絵巻(架空ではあるが)である。面白い。フェオファーンに次々と志を持つ人々が集まってくる様は、『水滸伝』を彷彿とさせる。それだけでも十二分に面白いのに、宮廷内の権謀術数やさらに新規に明らかになる第3勢力、そしてスエラ帝国の国内事情と思惑など絵になる展開がてんこ盛りである。圧倒的な構成力とキャラクター群像が織りなす一大叙事詩、正に聖譚曲と呼ぶにふさわしい作品だ。読み終わった瞬間から次巻が待ち遠しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2021年1月15日
読了日 : 2020年11月24日
本棚登録日 : 2021年1月15日

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