あのこは美人

  • 早川書房 (2022年2月16日発売)
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感想 : 21
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韓国のオフィステルに住む女性たち(声の出せない美容師、ルームサロン嬢になりたいワナビー、ルームサロン嬢、アーティスト、シングルマザー)が苦労しながらも連帯する話。

話は味があるのだが、カバーのあらすじがあらすじになっていなかった。最初からあらすじをあるがまま書いていてくれたら読まなかったと思うので、良かったのか悪かったのか。
あらすじの最後に「ある日、アラは下の階から聞こえてくる悲鳴に気づき…」とあるのだが、本文が350ページあって、このことが出てくるのが300ページ過ぎてからなので、何か事件が起きて鬱屈した目に遭っている女たちが爽やかに救われる話ではない。
そこがちょっと騙し討ちみたいで気に食わなかったので☆は少なめ。
100ページまで真面目に読んだところで疲れてしまい、残りは流し読みしてしまった。

とにかくひたすら様々な柵(親子、嫁入り、収入、職業、容姿、etc.)についての鬱々とした話が続くので、好みが分かれると思う。リアルショー、タワマン文学が好きな人は好きなんじゃないかな。私は好みではなかった。
これは僻み根性も入っていて(富裕層でも貧困層でもないけど)、著者がアメリカ生まれアメリカ住まいティーンの頃に韓国にいたジャーナリスト、というだけで、現地事情を誇張して書いているのでは…?と感じてしまった(※これは私の勝手な印象、実際はそうでもないかもしれません)。
これが韓国文学という範疇に入るのかは謎だが、三十の反撃は数十年後に再読の可能性アリだけどこっちはリピなし。

あと、腑に落ちないのが、おそらく自分が韓国やその種の文化に詳しくないからなのだが、ルームサロン(韓国の高級キャバみたいな意味)の客のブルースが、昼間に自分の婚約者家族顔合わせと同じレストランにルームサロン嬢が現れてブチ切れるところ。声をかけたわけでもないのになぜ? なんかキャバのママもブチ切れてるし謎すぎる。
そもそも婚約前に自分がキャバで遊んでるのが悪いのに、なぜこんなにキャバ嬢にブチ切れるのか訳が分からんない。自分が悪いんじゃないのか?
こんな感じでイマイチ受け取りきれないところが色々あった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月29日
読了日 : 2024年4月28日
本棚登録日 : 2022年4月28日

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