照柿(下) (講談社文庫)

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本棚登録 : 982
レビュー : 85
著者 :
zerotester21さん  未設定  読み終わった 

 正直、ミステリーとしては下の部類(>_<)
 ホステス殺しに関しては、結局唯一の怪しかったやつが犯人で、トリックらしきトリックもどんでんも何もない(>_<)
 もう一つの殺人事件の方は、あれで犯人の動機が理解できる人はいまいし、いたら病院に行ったほうがいい(>_<)

 じゃあ、つまんなかったかと言えばぜんぜんそうでなく、これがめっぽう面白いんだなあ( ´ ▽ ` )ノ
 解説にある通り、ミステリーと言うより「小説」だね( ´ ▽ ` )ノ
 ジャンル分けなんか意味がない( ´ ▽ ` )ノ
 京極夏彦の妖怪シリーズも、背表紙のジャンル表示がいつの間にか「ミステリー」から「小説」に変わったけど、それと一緒だ( ´ ▽ ` )ノ


 ただ、ずっと読んでてドストエフスキー、ましてや「罪と罰」は連想しなかったなあ……(´ェ`)ン-…
 薄汚い人たちがカビ臭い世界でゴタゴタやってるところはたしかにそれっぽいけど、ドスト特有のユーモア感覚が本作にはまったく見受けられないからなあ……(´ェ`)ン-…
 カオルちゃんはどこまでも大まじめ。アリがコツコツ地下に巣を掘るように、ただ黙々と人間心理の奥底に潜り込んでいく( ´ ▽ ` )ノ
 合田も野田も徹底して自らの心理を探り続けていくけれど、なんというか、愛情を注ぐことによってアイデンティティを保つべき対象を持たないから(もしくは対象を間違っているから《上巻のレビューで書いたとおり、潜在的同性愛者である自覚がないので》)、この自己探索は常に見当外れのものになっている(>_<)
 で、正気を失うハメに……(´;ω;`)
 そういった点から、「罪と罰」より「タクシードライバー」とか「シャイニング」「アメリカン・サイコ」に近い作品のように感じた( ´ ▽ ` )ノ

 あらすじだけだとまるっきり面白くない(被害者もなんで自分が殺されたんだか、まったく理解できないだろうな)こんなストーリーを、よくぞこれだけ重量感のある作品にまとめ上げたもの( ´ ▽ ` )ノ
 ここまで徹底したキャラクターの心理描写をすると、書いてる作者までおかしくなるんじゃないか?、と心配になるくらい( ´ ▽ ` )ノ

 どっしり読み応えがあった( ´ ▽ ` )ノ
 歪んだ心理をリアリティたっぷりに描きこんだ本格小説( ´ ▽ ` )ノ
 やっぱり、これは映像化しても意味なしだ( ´ ▽ ` )ノ

2018/01/03


 とはいえ、「マークス」「照柿」のあと、さらに「レディージョーカー」と続けるのはさすがにキツイので、次はカラッと明るい本を読もう……(´ェ`)ン-…

レビュー投稿日
2018年1月3日
読了日
2018年1月3日
本棚登録日
2013年6月3日
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