バビロニア・ウェーブ

著者 :
  • 東京創元社 (2007年2月21日発売)
3.53
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本棚登録 : 202
感想 : 25
5

これぞハードSF、これぞ宇宙SF、まさにサイエンス・フィクションの金字塔( ´ ▽ ` )ノ
古今東西、あらゆるSF作品の中でもトップクラス( ´ ▽ ` )ノ
テーマも筆致も出来栄えも、日本版「ソラリス」と言って過言ではない( ´ ▽ ` )ノ

アイディアもすごい、ハッタリも超絶、ネーミングも最高、科学的考証も文句なし( ´ ▽ ` )ノ
小松左京さんが言った「科学的問題を科学者が科学的方法をもって解明する」という、ハードSFの定義をこれほどまで完全に守ったSF小説って他にあるだろうか?( ´ ▽ ` )ノ

1.地球の引力によるもの、2.宇宙船の加速によるもの、3.スペースコロニーの遠心力によるもの、三つの重力の描け分け、それがもたらす人間(生理面でも人格面でも)への影響……こんなことまで考察した小説なんて、今まで見たことがない( ´ ▽ ` )ノ

キャラクターも文章も、淡々としているというか諦観しているというか、感情に走ることなくハードボイルド( ´ ▽ ` )ノ
人類文明繁栄の外縁で、孤独に研究・開発・その補助に勤しむ最先端の科学者・技術者らの心情がよく表れてると思う( ´ ▽ ` )ノ
宇宙空間の作業場で巨大な反射板の向こうにひとり浮かぶシーンが、そこのところを最大限に描出していると思う( ´ ▽ ` )ノ。
自分の前には他の人間(地球人)が一切存在しない……薄い板一枚で全文明から完全に隔絶されている……これほどまでの孤独感は他にありえない( ´ ▽ ` )ノ

一応美女(たぶん)は出てくるけど、恋愛要素が一切ないというところも、すごく好感が持てた( ´ ▽ ` )ノ
ハリウッドSF映画だと、いつでもそういうのが邪魔なんだ(隙きあらばジョーク、隙きあらばイチャイチャ、隙きあらばヒューマンドラマ、等々)( ´ ▽ ` )ノ

強いて欠点らしきものを上げれば、博士の「分身」たる黒いユニットかな?……あれの考証だけがちょっと雑な感じ……(´ェ`)ン-…

でもまあ、本当なら星10つけたいくらいの大大傑作( ´ ▽ ` )ノ

ディッチ・サンシャインの長編がこれひとつだけと言うのは、つくづく残念……(´ェ`)ン-…
もっともっと作品を書いてくれていたならば、日本SF界の現状は全然違っていただろうな……(´ェ`)ン-…

2017/01/22


……ブクログレビューで「人間描写が物足りない」という意見が多々見受けられるけど、そういう方にはぜひ同じ堀晃作品の「太陽風交点」や「悪魔のホットライン」を読んでほしいな( ´ ▽ ` )ノ
特に「悪魔の」は「冷たい方程式」にも匹敵するヒューマンSFの傑作だよ( ´ ▽ ` )ノ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年1月22日
読了日 : 2017年1月22日
本棚登録日 : 2013年11月27日

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