中谷宇吉郎随筆集 (岩波文庫)

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本棚登録 : 248
レビュー : 24
著者 :
制作 : 樋口 敬二 
次郎さん 評論/研究   読み終わった 

雪の研究で有名な物理学者、中谷宇吉郎の随筆集。一般的な科学者のイメージとは程遠い、親しみを感じさせる文章は夏目漱石の友人でもあった師匠、寺田寅彦の影響だろうか。師の訃報や弟の早逝に対する言葉はやはり悲しみの色が隠せないが、全体として時代や科学に対する暖かくも誠実な眼差しを感じさせ、戦後に関する言説は現代にもなお通用する。特に、科学が難解になる程その誤用が氾濫する「知の欺瞞」的な問題意識を昭和30年代の頃から持たれているというのは驚きであった。科学を愛し、文化を愛した人の言葉は、こんなに優しくも突き刺さる。

レビュー投稿日
2013年12月22日
読了日
2013年12月22日
本棚登録日
2013年12月22日
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