寄宿舎学校の少年5人が体験した、クリスマス前のちょっとした成長物語だけど、添えられた前書き二つが何より素晴らしい。不幸や痛み、悲しみの大きさは大人も子どもも変わらないという事実にそっと寄り添おうとしている。良かれ悪かれ、人はふと故郷を思い出してしまうものであり、だからこそ人はそこで引き裂かれてしまう。故郷というのは喪われてしまうからこそ美しいのであり、だからこそ故郷を喪失した人が新たに帰る場所を見つけることができた時、それに感動せずにはいられないのだと思う。家に帰ろう。今日はみんな、家に帰れるといいね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2012年12月24日
- 読了日 : 2012年12月24日
- 本棚登録日 : 2012年12月24日
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