zooko012の本棚

同級生の死、ケンジの50歳・史朗53歳の誕生日、経済的自立と離婚秒読み、大先生からの顧問先の引継ぎ。なかなかにヘビーな内容の本巻であるが、美味しい食事はいつもそばにあり・・・。本巻で美味しそうなのは、具だくさんお家春巻き、蛸とわけぎのバタポン炒め、アボカドの天ぷら。

本館で美味しそうなのは生リンゴパイ。ちっちゃい衝撃は小日向さんがシローさんによろめくところ。いいシーンは、事務所を背負う大先生に「事務所で一番上に立たれてご自分で決断をなさっている大先生のご苦労に比べたら私の悩みなんてどうってことありませんよ！」と述べる志乃さんに「うぅ、もうほんとに志乃さんに比べてうちの男どもとききたら！」の打たれる大先生のシーン。

しみじみ面白いな～。シロさんとケンジはより家族になっていき、シロさんと年老いた両親は親子関係をやり直す。隣では、佳代子さん家族や小日向・ワタルのゲイカップルの友人三世代の家族ぐるみの仲に。家族、仕事、人との関係、年老いることが、食べることを中心に、温かく丁寧に書かれているところが何ともよい。本巻では、志野さん・片岡の新婚カップルのエピソードとそのささみの板わさと茄子の揚げだしの献立が気にいった。お花見のおいなりさんが美味しそう。また、誕生日ディナーに、シロさんに買ってもらったスーツを気張って着たケンジがウキウキワクワク「俺たちどう見えるかな？」と尋ねると「暴力団幹部とその顧問弁護士」と答えるシロさんがつぼ。