足利直義 兄尊氏との対立と理想国家構想 (角川選書)

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レビュー : 5
著者 :
ちーぺんさん 歴史   読み終わった 

室町幕府を実質的に創業した足利直義。兄尊氏の信頼のもと、副将軍もしくは執権として権勢を振るった。尊氏は寛容の人ではあるが、直義は知性と内省の人。和歌で民を歌ったのが光厳上皇と直義だけ。統治者の自覚と苦悩がにじむ。また夢窓疎石との問答での厳しい質問や、天龍寺船派遣の決断と禅宗への傾倒、さらに夢窓疎石の密教を認める和臭の禅宗より本格的な中国の禅宗を求めたりと、学究肌の人でもあった。戦乱の世を仏教により人心を落ち着かせ、鎌倉幕府の継承と南北朝の統一を図る。40を過ぎ遅い実子を授かったことで、後継者問題から尊氏と対立。また武家社会の矛盾から観応の擾乱を引き起こす。だが戦陣の中で息子の病死に見舞われ、高師直たちには勝つが精彩を欠き、最期は尊氏に毒殺されたとも言われる。怨霊となって恐れられた反面、その真摯な統治者としての姿勢は同時代の人により後世に語り継がれた。

レビュー投稿日
2015年3月18日
読了日
2015年3月18日
本棚登録日
2015年3月18日
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