なにかに傷ついても、なにか変だと思いつつ言語化できずに流れてしまうことがよくある。メレ山メレ子さんの文章はあるあるとうなずく通りすがりのエピソードを絶妙に言語化している。特に感動してしまった文章を引用したい。
「以前つきあっていた人が、ある時期からわたしを痩せさせようとしはじめた。彼自身が食餌制限やトレーニングに目覚めていろいろ研究していたので、最初は調べたことを単純にだれかに教えたい気持ちもあったのだろう。体型は努力で変えられるものという実感を得た彼にとって、彼と同じように努力しない私はたぶん鬱陶しい存在になっていった。
彼とは別の元恋人が「俺とつきあうとみんな影響されて、趣味嗜好も変わってくるようだと」と言っていたのだが、実際には彼の好みでない音楽や映画を目の前で嗜むと露骨に不機嫌になってけなしてくるだけだった、という経験がある。それ以降、わたしは交際相手がこちらを教化せんとする気配には非常に敏感なのだった。」
これだこれ。東村アキコさんの東京タラレバ娘のダークナイト男も思い出す。
自分の枠からはみでると途端に認めない。自分の枠のなかに収まっているときだけ好きなんだ。(条件付きの愛)わかる。私にも経験がある。
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- 感想投稿日 : 2021年2月23日
- 読了日 : 2021年2月23日
- 本棚登録日 : 2021年2月23日
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