ソフィー (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2009年11月20日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 42
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時制の不一致の利用と意思伝達の倒錯。本書は「ソフィー」という姉を巡る一連の出来事を回顧する語り手の独白を、「ソフィー」に擬された「私」が聞かされながら、ビビリながら合いの手を入れるかたちで進行する。しかし、語り手の記憶が錯乱しているという設定なのか、事件の背景や前後関係についての記載がぼかされており(それが作家の狙いかもしれない)、読者に想像の翼を与える半面(母親と姉の確執、母親と語り手の不仲、父親の不在、庭師の途中からの不明など、ヒントは都度ちりばめられているように思う)、ある意味期待を裏切らない結末しか用意できないところが残念である。結局、「勘ぐることを楽しんでください」ということであれば成功した作品だろうとは思う。いまは脚本の仕事に軸足を移しているらしい作家のセンスが垣間見れるというところか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2012年1月8日
読了日 : 2012年1月8日
本棚登録日 : 2011年12月11日

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