いやぁ、憂鬱になりますね。『失敗の本質』シリーズは学術研究の香りが残っているのだが、本書は日本軍が組織的に失敗したことを赤裸々にし、3.11以後の原発事故に付随する電力会社と政府の対応が貴重な失敗経験をまるで参照できておらず、被害を拡大させたと説く。あるいは、論理的思考に欠け、意思決定できないのは、もしや日本の国民性なのではないかという結論に、達しざるをえない。派閥と官僚主義というのは政治の世界の専売勅許ではないわけで、グローバル化した世界で戦う上で、どうやったら俯瞰的な視点を有するリーダーをもつことができるのか、真剣に考えるときがさすがに来ていると思う。

2013年3月24日

読書状況 読み終わった [2013年3月24日]
カテゴリ ビジネス

言葉が手に取るように分かるとき、意味は胸に浸み込む。本書を読むと、ビジネス本の堅い言い回しが空疎に感じられてならない。本書は1968年周辺の世相を題材に取り、田舎から「金の卵」として大量に都市へと送り込まれた若者たちの孤独を鋭く抉り、『無知の涙』で知られる連続ピストル射殺事件の犯人の実像に迫る。1968年は僕らが現代日本を考える上で重要だ。それは、安田講堂落城、3億円事件、連合赤軍といった歴史的な事件があったせいではなく、貧しかった僕らの両親が青春時代を過ごしたからだ。本書で指摘されているように、「金の卵」と呼ばれた若者たちは従順な労働者として重宝されたのであって、自由意志を持つ者は「生意気だ」と排斥される。この構図はいまの僕らの時代にも大きく影を落としているわけで、「終身雇用」の完成のために多くの若者の夢が押しつぶされてきたというわけだ。もうひとつの論点として、都市への若者世代の流入が東北をはじめとした田舎を疲弊させ貧しさに拍車をかけたことが指摘されているが、いまの僕らの時代も同じことが起こるように思う。今度はグローバルなスケールで。TPP参加など世界はフラット化する一方であり、日本が環太平洋の中で過疎化するのではという危惧を最近強くしている。英語が話せる程度ではなんともならんのではないのか(僕は英語もロクにしゃべれません!)。価値を産み出すにはどうすればいいのか。いまこそ自由意志をもつべきだと思う。

2013年3月18日

読書状況 読み終わった [2013年3月17日]
カテゴリ 社会科学
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1994年に書き下ろされた本書。ベルリンの壁は崩壊、ソ連邦崩壊など、東西冷戦という均衡が破れた直後に執筆されてることもあり、フランス外人部隊にも在籍したこともある著者は、まだ緊張感を漂わせている。よって、イデオロギーという側面では完全にずれているが、対ゲリラ戦闘に関する記述は、2013年のアルジェリアで起きた人質死亡事件を先取りしているかのような内容である。20年前に世に出た本書が教えてくれるのは、地域紛争が激化した60年代から、アメリカをはじめてする諸国は対ゲリラ作戦を繰り返しており、民間人が危機に晒される事態を想定できているということだ。そう思うと、日本人はやっぱり平和ボケしている。海外に行くのはリスクを背負い込むことを意味するのだ

2013年3月17日

読書状況 読み終わった [2013年3月4日]
カテゴリ 歴史
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ほぼ同時期に出版されている『ミッション』とほぼ同じ内容で。ビジネス本としてこちらのほうがよくまとまっています。51は、スターバックス、シアトル、イチローという連想ゲームからでしょうか。根底に流れているのは「カリスマリーダーの否定」。誠意を持ち、コツコツと仕事をすることが、天命と思える仕事に巡り会う近道だと説く。書かれていることを実践するのは理に適っていると思うし、管理職もこういったビジネス本を片手に部下と接してるんだなぁと思う。筆者にとって天命とは「リーダーになって従業員を幸せにし、社会に貢献すること」。天命と聞くと、高校時代の先生の話を思い出す。「天命は変えられないが、運命は変えられる」。もう35才を回ったけど、天命も運命もかたちをなしてないように思う。立ち止まって考えてみるころかもしれないなぁ。

2013年2月6日

読書状況 読み終わった [2013年2月5日]
カテゴリ ビジネス
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真っ当な意見を述べた書物である。「働かざる者食うべからず」、「果報は寝て待て」、「人は城、人は石垣・・・」と古典で推奨される「君子としての立ち居振る舞い」を現代に焼き直して平易に表現している。筆者が言うところの「火花散る一瞬」、すなわち「価値が創造される場面」を見逃すなということ。製造業だとはじめて「商品」が立ち現れるとき、サービス業だとお客さんが満足するとき。たしかに古典に親しむことが絶えてなくなったいま、このようなビジネス書が「愛すべき因習」を継承する役割を果たしていくのだろう。当たり前のことってなかなかできないくらい、みんな道に迷ってるから。

2013年2月6日

読書状況 読み終わった [2013年1月29日]
カテゴリ ビジネス
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大河ドラマ『平清盛』は不発だったが、司馬遼太郎も指摘しているように、平清盛と源頼朝こそが日本史上で傑出した政治家だ。しかし、頼朝がなぜそこまで評価される人物なのか、あまり知られていないのではないだろうか。軍事的天才だった義経を執拗に追い詰めて自殺に追い込んだことに象徴されるように、冷徹な独裁者という印象だが(トロツキーをメキシコまで追捕したスターリンに似ている)、じつは激しやすい性格の色男だったんだよというのが本書。頼朝は毛沢東がそうしたように、建国の立役者だった有力な坂東武者たちを粛清して、権力を確立していく。その一方で、直属の部下には細かい心配りのできる絵に描いたような為政者だった。著者はおよそ歴史書には似つかわしくない「汚い言葉」で頼朝や坂東武者たちの息吹を伝えようとしており、とても楽しく読めた。参考文献も豊富であり、源平合戦の歴史を勉強するガイドブックとしても利用できそう。さすがに『玉葉』、『吾妻鏡』、『平家物語』からはじめるのは難しいもんな・・・。

2013年1月12日

読書状況 読み終わった [2013年1月6日]
カテゴリ 新書

メディアで積極的に発言する哲学者である東浩紀のメールマガジン『ゲンロンサマリーズ』で2012/12/07(vol.54)で紹介されたので興味を持ち購入。メーカーの勤め人としては本書の内容に憧憬を覚えざるを得ない。21世紀の消費は大量生産(mass production)からDIY(do it yourself)にシフトする。「みんなが同じものを欲しがる」という傾向は薄れ、「自分だけのものを組み立てる」という嗜好が強くなったからだ。一方、高度な生産技術はPCとインターネットの普及により「日曜大工」のように一般消費者にも行き渡るようになり、大手メーカーの商品に頼ることなくDIYを達成できるようになり、さらにウェブ上に「フリーマーケット」を立てることで小売業者として生計を立てられる可能性が出てきた。つまり、だれもが「モノづくり」の方法をインターネットを通じて簡単に習得することができ、原料を適正な費用でインターネットを通じて検索・都合でき、インターネットで製造委託業者と契約することで省設備投資でラインを立ち上げることができ、販路をインターネットで世界的に広げることができ、宣伝広告をインターネットのSNSで訴求したいマーケットに打てる。頭痛のタネの開発費もSNS上の人材ネットワークを組織することで安く上がる。このように、インターネットにより世界はつながり、製造業として起業するリスクが減ったことで、高付加価値の商品を売る魅力的なビジネスが展開できる。このスキームだとスケールメリットで利益を出すことを狙わなくて済むので、こコモディティ化せず中国勢などと競争しなくて済む。筆者は自分のビジネスを含め、豊富な事例で世界中のオタク(geek)が起業することで多彩な生き方が実現できると説く。これを読むと日本てホントに遅れていると実感します。英語とファイナンスしっかり勉強しよ。

2013年1月12日

読書状況 読み終わった [2013年1月6日]
カテゴリ ビジネス

個人的な体験を通して、この「アウトサイダー」という語句の惹起する感覚とかイメージには戦慄させられる。ベッカーは「逸脱行為」を境界として「アウトサイドー」と「インサイダー」を分けるのだが、どちら側が「善か悪か」という価値判断はシーソーみたいに揺れ動くと断言している。「逸脱行為」を認定するのは「モラル・アントレプレナー」と名付けられた公的機関や市民運動団体であったりするわけだが、ベッカーは彼らのことを「改革者」 'crusader' とも呼ぶのだ。この 'crusader' は「アウトサイダー」 'outsider' と対立する語句であるのは文脈から明らかだが、西洋の歴史を踏まえると前者が「十字軍」と、後者を「異端者」と訳せることに注目されたい。つまり、「宗教的熱狂」というやつが神託のごとく特定の個人や組織に力を与え位相がずれた「異質なもの」を徹底的に叩くという構図は、おおよそ政治的な要素と思惑が織り成した虚構であり、根拠は希薄だと高らかに宣言しているのだ。僕らは即物的に「いまあるもの」を追認する傾向がある。でも、モノの価値やら置かれている状況やらは流動的だというのがおそらく事実だ。このアンビバレンツな状況を「実体論から関係論へのパラダイムシフト」として理論化したのはマルクスやソシュール(オーストリアの言語学者)だったが、彼らの手法を援用してニーチェに関する徹底的な論考から「権力」の本質に迫ったのがフーコーだった(『監獄の誕生』)。ベッカーも関係論に軸足を置き、フィールドワークというアプローチで、「異端者」たちが生まれながらに「はぐれ者」なのではなく、ひょんなことから「逸脱行為」に走るようになった様子を客観的に描いてみせ、フーコーと同じ結論に達している。コリン・ウィルソン『アウトサイダー』では「異端者」には消すに消せない「烙印」が押し付けられていて、社会とは折り合いをつけられないという結論に達していたのだが、どうやらそうではないらしい。なんとなくコリン・ウィルソンは間違ってんだろうなと、同じころに読んだ沢木耕太郎『路上の視野』や塩野七海『男たちへ』から感じていたのだが、15年の歳月がたち本書を読んでようやく頭の整理ができた。結局、お金を稼いで生きているかぎり、ひとりでは生きていけません。

2012年12月16日

この本読んでて、ホンマに俺って観念的な物の考え方に取り憑かれてんねんなぁ、と実感しました。やっぱり前に進むためには「酔狂な言葉」がいんねんで・・・。本書はかの「マッキンゼー」の採用担当を務めたアルファブロガー「ちきりん」と目される著者の手によるものであるが、書名から想定される「どうやったら良いコンサル会社に滑り込めるのか」という内容とは、おそらくまったく無縁だ。そもそも「ビジネスに取り組む」という行為は「荒野に立つ」という絶体絶命の状況と同値であり、だからビジネスパーソンは「実存主義的アウトサイダー」よろしく覚醒しなければならないと説く。その荒野とはなにか。「グローバリゼーション」だ。待ったなし。世の潮流は、自国内で商売する、という島国根性では切り抜けられないところまで来ている。もはや日本だけで自足した経済なんてありえない。だから、存在意義を極限まで突き詰め、「グローバルリーダーシップ」を身に着けなければならない。それは「海千山千」の如才なさであり、どこでも自分らしく他者と交渉できる実存なのだ。日本って狭い。ちょっとでもそお思うんやったら、ここから出よう。

2012年11月27日

読書状況 読み終わった [2012年11月25日]
カテゴリ ビジネス

『青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン! 』(リトルモア)にはかなり笑わせてもらったが、本書はそれよりやや真面目(!)に映画について論じている。読んでいて新鮮だったのは、ハリウッドの洗練されたスタジオ製作システムが崩壊し、映画の表現方法(あるいは技法)がリアリズムに近接するようになったとい「時代の流れ」について言及している部分だ。70年代に入ると、ルーカス、スピルバーグ、デ・パルマ、スコセッシといったニュー・ウェーヴが登場し、アクションを機軸とした展開の速い作品がもてはやされるようになるわけだが、たしかに僕らも「生々しい映像」が映画の醍醐味と考えるムキがあるように思う。そういう意味では、1968年のアンシャンレジームへの反対運動から世界の脱構築が進み、それまでなんとなく固定化していた「人生の枠組み」みたいなものが砕けてしまって、信仰心もブッ飛んで、日々の生活が希薄化したことが原因かもしれない。「刹那」が跋扈するようになった世界は日に日に「映画のイメージ」と境界が曖昧になりつつあるようで、先を見通すことのむつかしさに改めて思いを馳せる今日このごろ。

2012年11月18日

読書状況 読み終わった [2012年11月14日]
カテゴリ 評論

なん年かまえの夏休みに山形県を縦断するように温泉地巡りをしたのだが、山形市から国道13号を北上する途上、突如ナビ上に「神町」が現れ、「おぉッ」と嗚咽に近い感嘆をもらしたのを思い出す。『シンセミア』は架空の「神町」を舞台として繰り広げられる群像劇だと位置づけられる。また、ガルシア=マルケス『百年の孤独』などの世界的名著とも対比される「民俗学的視点」なるもので評価される向きもあるようだが、ソポクレス『オイディプス王』に見られるような「犯してしまった禁忌」の根源を手繰り寄せるミステリー的手法も援用されており、劣情を煽る性描写が渾然一体となって、壮大な物語は「小さな復讐」へと収束していく。登場人物が多いことが特徴として語られる本書だが、彼らが「神の意志」なるものに従順なようでいて好き勝手に動くさまは痛快で、結局のところ、「観念論」などというものを振りかざさずともひとは良く生きれるのではないか、と思えてしまう。それでいて、阿部和重は突飛かつ奇異な状況下でも平常心を保つように情景描写に逃げず、ひたすら論理的に登場人物の感情を積み上げる。それは情報の溢れ返る「いま」という時代を所与として置き、好悪の評価を定めず、(「立身出世」や「自分探し」をはじめとする)奸智に富んだ他者の言に惑わされず、自発的に生きてゆこうという提案にも映る。「先が見えない」という現状認識は、90年代後半に青年期に入った阿部和重をはじめとした僕らの世代に共通だと思うが、「刹那」に訴えて単純消費的な行動に逃げるという構造は間違いなく破綻している。最小限の「スコッド(Squad)」として家族を守ることが本書のラストなのだが、僕らはさらに歩みを進めるべきではないだろうか。

2012年11月10日

読書状況 読み終わった [2012年11月7日]
カテゴリ 小説
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じつに10年間にわたる積読を経てようやく読了。阿部和重の代表作と位置づけられる本書だが、このあとに発表された『グランド・フィナーレ』では芥川賞受賞を念頭に置いたためなのか、諧謔趣味は健在だが苛烈さが弱まったこともあり、「前期・阿部和重」の頂点と見做されるべきなのかもしれない。「俺はビートニクじゃない!」と言い放ったジャック・ケルアック同様、阿部和重も「J文学」やら「シブヤ系」といったレッテルを忌避しているのだが、「異端」を認識下に置き支配するための詭弁にすぎないわけで、むしろ禁忌として扱われることで魅力を放つということもある。つまり『シンセミア』をはじめとした「前期・阿部和重」は日常のマージナルな部分を際立たせることで、ぼんやりとした「了見」に揺さぶりをかけるのだ。本作のそれに加えて「時間性」を導入しているところが出色だ。「時代」と「「歴史」とそれに付随する「継続性」は、「言い伝え」「たたり」「風習」に力を与える源泉となり、僕らに不条理を強いるわけだが、どうやらそれは無視できるもんでもないけど、渋々受け入れるもんでもない。「受苦者的振る舞い」の否定というのもメッセージとしてあるような気もする。「人間賛歌」というほど単純でもないが、「神町」に棲息するひとたちは憎めない。そう、そろそろ本書の紹介に入らねば・・・。

2012年11月10日

読書状況 読み終わった [2012年11月5日]
カテゴリ 小説
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たしかにビジネス本的な側面はあるが、これは実用書ではない。というか、長谷部さん、息子として持ちたいランキングがあったら、世のおかんたちから絶大な支持を受けるやろ・・・。競争の厳しいスポーツの世界と、ロジスティックにわりと近い研究開発に従事している僕とでは、モチベーションの持っていき方とかだいぶちがうと思うが、30分間はネットも音楽もテレビも遠ざけて「心を整える」のは良い佇まいだと思う。あとは、リスクマネジメント。大学生のときは将来ワケ分からんから、とりあえずアンテナ張り巡らせてチャンスのありそうなところに滑り込もうとギラギラしてたけど、最近はホンマ情けないです。読み仮名を丁寧にふってあるところが幅広い読者を射程に置いている感じでよい。高校生のときに読んだら、素直に人生をがんばれたかも。

2012年10月30日

読書状況 読み終わった [2012年10月30日]
カテゴリ エセー
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要約すると「鬱になりそうならすぐさま転職しなさい。そうでないなら、一度これまでこびりついた自己愛やら虚栄心を清算してじっくり考えてから、行動を起こしなさい」ということか。先ごろ読んだクランボルツ&レヴィン『その幸運は偶然ではないんです!』と同じことを指摘しており(実際に引用もされている)、いまどこに立っており自分がどういう状態なのかを冷静に見極めることで、展望が開かれることが多いと説く。あと「平均への回帰」。人生は帳尻が合うようにできているから、目先の損得に惑わされるな! 思い当たるフシがある。「果報はキョロキョロしながら身構えて待て」ということか。あと、二十代、三十代は、馬車馬で行こうということらしいです。もちろん心身の健康をギリギリ保つことが条件です。

2012年10月21日

読書状況 読み終わった [2012年10月21日]
カテゴリ エセー
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『失敗の本質』は難解な専門書、『戦略の本質』は少し砕けたビジネス本、そして本書は魅力的な語り口で紡ぐ読み物だ。面白い。前2作とくらべものにならないくらい、組織と人間について、熱を込めて語っている。それは、本書が日本の敗戦についての分析を主眼にしているわけではなく、敗北という現実をまえに組織があるいは人間がどのように振舞ったのか。運命というか所与というか、ある意味避けられなかったのではないか。「そうとしか生きようがなかった」という事実を感情を織り交ぜて語るさまは僕らの日常と近しい。日本は負けた。たしかにとんでもないやつもたくさんいたし、組織も腐敗してた。でも、がんばってるひとだっていたんだよ、と誇らしげに語ってもいいと思える。「昭和の軍隊」について好意的に評価するのを心情的に躊躇っていたのだが、山内昌之さんが描写する山口多聞の人物像を知ったら、どんな腐敗した状況でも、良心というものが残り、自分の存在を未来に向けて力いっぱい投げつける生き方は素晴らしいと思えた。また、菊澤研宗さんの「取引コスト理論」を駆使して「大和特攻」や「陸軍の派閥」を説明する下りは、肩がほぐれる感じで良かった。いまのところ今年一番です。

2012年10月18日

読書状況 読み終わった [2012年10月18日]
カテゴリ 社会科学

「このままではただのおっさんになってしまふ」と恐怖に駆られて手に取った書物。成功談のみが流布されるこの世の中にあって、精神論を振りかざすことなく、「失敗したなぁ・・・」という実感のこもったコメントを丹念に掬い上げているところが良い。そういえば、島流しにあった西郷吉之助の苦悩が分かる気がする今日このごろ。苦境を耐え忍ぶこともこの社会で生きてゆく処方箋のひとつなのかもしれない。でも、やっぱり「進む意志」というのは徐々にでも形成していかなければならんというのが筆者の結論のような気もする。「崇高な思想」はいつか色褪せるのだから。

2012年10月15日

読書状況 読み終わった [2012年10月14日]
カテゴリ ビジネス

「ピンチはやり方次第でチャンスに変わる!」と高らかに宣言しているところが良い。最善を尽くし、つねにアンテナを張っていれば、ホワイトナイトがどこからともなく現れる。しかも、見た感じは「王子様!」に見えない場合が多いのに要注意。いつからでも挑戦できるし、積み上げはできると、読者を勇気づける前向きさは読んで癒される。

2012年10月15日

読書状況 読み終わった [2012年10月14日]
カテゴリ ビジネス

「会計はビジネスの根幹」ということは理解できた。入門書の入門書という感じなので、会計のイメージをなんとなくつかめる内容です。まだまだ分からないことが多いので、他書を紐解いて勉強をつづける必要あり。研究者もBSとPLが引けるようにならないとダメだという指摘はごもっとも。

2012年9月30日

読書状況 読み終わった [2012年9月30日]
カテゴリ 新書
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30代の社会人・ビジネスパーソンに読んで欲しい1冊です。私自身もいま「仕事」に手ごたえを感じられない状態であり、ここのところずっと悩んでいました。そんなときに本書に触れ、目標を据え、愚直にやり抜くことだけが、砂埃の舞う荒野の如きビジネスシーンを歩く唯一の方法だと気付かされました。そして「大志」と「真心」。職人、クリエーター、越境者のコメントが広く掬い上げられていますが、結論としては「心なくして現世利益はない」ということです。毎日を健やかに過ごせることこそが幸せだと思うのですが、果たすべき責任はしっかりと負わなければならない。抑圧されない世界ってたぶん楽園なんかじゃない。イヤなことを無視したりなかったことにできないんだから、業を磨いて対抗し、懐を深くして受け止めよう。その道のプロフェッショナルたちが口を揃えてそう言ってるように感じました。擦り切れるほど読もうと思います。

2012年10月4日

読書状況 読み終わった [2012年10月4日]
カテゴリ ルポルタージュ
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「作法があるようでない」というスタンスで対象と対峙する。「架空の生涯」ではあるが、そこに躊躇いながらも魂を込めようとする。思い切って、臓腑から逆流してくる言葉をぶちまける。「物語」というのは、科学が故意に神を語るのに対し、あくまでも「未必の故意」としてホノグラムのように神を現出させようとする。どちらかというと、ガルシア=マルケスのように、山出しの気の良さを装いながら、実は緻密に組み立ててくる作家に魅かれていたが、ここに紹介されるどちらかというと実感に寄り添って創造を試みるクリエーターたちの葛藤を見て、みんな行き当たりばったりで終わるそうだけど、終わりたくないなぁ、と振り返りながらたいがい歩いてるのが分かった。

2012年10月15日

読書状況 読み終わった [2012年10月8日]
カテゴリ ルポルタージュ
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研究者の末席を汚しているわけだが、「仕事の意味を咀嚼し、内部に取り込み、立体的に組み立てようとするも、心臓たる動力部分が分からない、だから徹底的に調べる!」ということができているかどうか・・・。「調べる」ということは万事に通じる技術であることは疑いない。おそらく「図形的直観」は天性だが、「嗅覚」や「見立て」というのは後天的な技能で、著者が言う「やり直しの繰り返し」に真剣に取り組まないと獲得されないと思う。しかも、「お気に入り」の分野じゃなく、あくまで「仕事」だがらやるという意志を奮い立たせられるのがプロフェッショナル。俺、全然、できてないすッ!

2012年10月15日

読書状況 読み終わった [2012年10月12日]
カテゴリ ルポルタージュ
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ひとの人生はあらかじめ決まっているはずはない。他者の「非日常」を既視化できる主人公が、平凡な日常を生きるひとびとの「悲運」を予知するのだが、それは「結果論」でしかなく、どのように納得するかは彼らに委ねられている。自らの意思で、自らの足で、進むしかないという当たり前の約束事を思い出させてくれる。ミステリーとしての完成度は「・・・」かもしれないが、共感するところが多かったので満点をつけました。

2012年9月27日

読書状況 読み終わった [2012年9月23日]
カテゴリ スリラー
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同世代の意見が知りたくて手に取った。自我はひとつじゃなくて良いし、性格や表現も状況に応じて変化するものだ。結局、他者に影響されることなしに、この世に存在することなど無理なのだ。これって理解はできるが、どうしても『自分探し』の呪縛に囚われる。そうかといって他者の評価も物凄く気になる。『自分』がちゃんとなくったって進んでいける。勇気が湧いてくるね。

2012年9月17日

読書状況 読み終わった [2012年9月17日]
カテゴリ エセー

『僕を殺した女』や『金のゆりかご』など、無機質なタッチでどんでん返してんこ盛りのミステリーを世に送り出してきた北川歩実ですが、短編集はもひとつです。探偵がリクエストを受けて捜査するという構図ですが、いなくてもいいのでは?と思うくらい印象薄いです。解き明かされる謎も、どうも冴えない。目先がコロッコロ変わるので、「で、なにが真相やねん!」と突っ込みたくなる話が多かったです。この作家はある程度の分量がないと自分のやりたいことを表現できないのではないでしょうか? 文庫書き下ろしらしいですが、たしかに週刊誌掲載できるレヴェルではないような気がしました。残念。

2012年9月2日

読書状況 読み終わった [2012年9月2日]
カテゴリ ミステリー
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