白衣の女 (下) (岩波文庫 赤 284-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003228432

感想・レビュー・書評

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  • 古いし長いしで読む前には不安があったが、物語に引き込まれる。やはり同じ作者の月長石に雰囲気が似ている。最大の謎はヒロインであるマリアン・ハルカムがいかにして生き延びたかというところだろうが、この解決はあっさりしている。ミステリ的趣向は薄いが、小説としては充分に面白く長さをさほど感じさせない。

  • ついに、結末まで来てしまいました。下巻は一気に収束に向かいます。ドキドキしながら読み進めます。
    この本の主役とも言えるかもしれないマリアン・ハルカムのセリフを引用します。

    「泣いているのはわたしの弱さであって、私そのものではないのです」

    書かれた時代はヴィクトリア朝のミステリー。

    彼女を通してフェミニズムの気運を感じることもできます。

    最後の解説によると、1859年より連載が始まり、1860年連載完結後発売されベストセラーに。
    サッカレー(イギリスの小説家)は徹夜して読み、後のイギリス首相グラットストーンは読み出したらやめられなくなり、予定していた観劇会を欠席してしまったという逸話も。
    また、香水、婦人帽、ヘアブラシにいたるまで「白衣の女」の名が付けられて流行したほど人気のあった作品だそうです。

    著者の墓石は本人の希望で、「白衣の女その他の作品の作者」と刻まれました。

    上中下の3巻であるにもかかわらず、長さを感じさせないストーリーです。

    最後は見事に、平和に、原点に到達します。

  • 「はくい」ではなく「びゃくえ」 その3

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18357

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN14064109

  • 訳:中島賢二、原書名:THE WOMAN IN WHITE(Collins,Wilkie)

  • 「舞台上の霧」は文字通り霧散した。物語の転がし方はもとより、三巻を通して各登場人物の一人称で表現するなど、著者の「読ませる工夫」が随所に散りばめられている。同じ一人称であっても、ひとつの視点と多視点では、読み手が受け取る情報に変化が生じる。語る人間が変われば考え方や印象が変わるのだから当然だ。そうした珠玉混合の情報から真偽を見定めるのは、やはりミステリの醍醐味と言えるだろう。個人的には、女性たちの奮闘ぶりも嬉しい限り。美しい情景描写の上、冒険とスリル、恋愛もあり。単にミステリとは括れない濃厚な作品だった。

  • あああ、面白かった!一気に読んだ。そりゃあ首相(昔の)も夢中になるわ。
    何で日本であんまり知られてないのだろう。
    ウィルキー・コリンズの本もっと読みたい!
    でも翻訳された文庫(じゃなくても)があまりにも少ない。。。。

    月長石よりこちらの方がミステリーというか冒険というかそういう要素が高い。面白かった!
    読み返してみなければ。
    原作トライしてみようか、、、、

    ああしかし名作はやっぱり名作なんだなあ。
    良いものはやっぱり残るんだなあ。
    これだから古典は良いのだ。
    悲しいものにしろ嬉しいものにしろ、良いのだなあ。

  • 最後まで続きが気になる展開でした。

  • 白衣をナース服のことだとイメージしてたら違った。

    おもしろかったな、ハラハラした。

  • 墓場で再会したローラとハートライト。マリアンと共に隠れ住む二人。奪われたローラの地位。ローラとして埋葬されたアン・キャセリック。ローラの地位を回復するため二人を守りながら調査を進めるハートライト。パーシヴァル卿の監視の目。パーシヴァル卿に反撃するためにキャセリック夫人と会うハートライト。キャセリック夫人とパーシヴァル卿の醜聞。キャセリック夫人の住む村の教会の婚姻届に隠された秘密。行動を起こすハートライト。教会で起きた火事。現場に閉じ込められたパーシヴァル卿の死。ペスカを見て驚愕するフォスカ伯爵。フォスカ伯爵とペスカの関係。イタリアの秘密結社。ハートライトとローラの結婚。

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著者プロフィール

1824年ロンドン生まれ。法律家修業を経て、20代後半から作家活動に入る。30代半ばで発表した『白衣の女』によって一躍脚光を浴び、1860年代に大流行したセンセーション小説の礎を築いた。代表作は、『白衣の女』の他、『ノー・ネーム』『月長石』などで、後者は世界最初の長篇推理小説としても有名。1889年没。

「2018年 『ヴィクトリア朝怪異譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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