灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫)

著者 :
  • 星海社
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本棚登録 : 129
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061389601

作品紹介・あらすじ

佐藤友哉×押見修造
“青春の暴走”を描き続けるふたりがここに出逢った――!
かつて六十三人もの人間を殺害し、暴力と恐怖の体現者たる“覇王”として君臨した今は亡き偉大な祖父(そふ)。その直系たる「僕」がこの町を、この世界を支配する――そんな虹色の未来の夢もつかの間、「肉のカタマリ」として未だ何者でもない灰色の現実を迎えてしまったことに「僕」は気づいてしまう……。「僕」の全力の反撃が始まる――!!

感想・レビュー・書評

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  • 不快感しか残らない。

  • 世界に殺されてしまった中二病の話

  •  舞城王太郎とか初期の阿部和重みたいな言葉の疾走感と主人公のぶっ飛んだ自意識の吐露が凄かったです。10年前に読んでたらもっとハマってたと思う。今じゃもう俺は手遅れの肉のカタマリなうだから。

  • 「俺は覇王になって、あらゆるものを諦めて幸せに生きている普通の人間、肉のカタマリを支配する。……でも覇王ってなんだ? いや、それでもやるんだ」と決心する19歳、しかしそれもやがて「家族」という名の安心教に削り取られ失われていくのだ。諦めるだけでいい。人が幸せになることはこんなにも簡単だ。たとえ幸せなんて望んでいなかったにしても。
    普通の人間が、諦念を抱きつつ、諦念を抱いていることすらも忘れながら普通に生きて、それまで生きた戦いの日々を「青春」という枠の中に押し込めてしまうまでの成長譚。
    適当に読み始めたものの、読み終わってみればこれが今読みたかったものだと思える。良かった。

  • 厨二病から現実主義への成長物語です
    非現実的な話なのにどこかすこし主人公に共感するものがあります
    もっと早く読めばなとか思っちゃいました
    オススメです!

  • 特別な存在になりきれない、でも諦められない、そんな悲哀が詰まってる。いったい誰がこの主人公を笑えるというのだろうか。

  • 何度も何度も繰り返される同じ内容の呪詛。
    自分への呪詛。
    自分が住む街への呪詛。
    自分と暮らす家族への呪詛。
    平凡に生きる全ての人間に対する呪詛。
    しかし少年は19歳から20歳になるとき、選択を迫られる。
    それは誰と共に生きるかの選択。

  • 結末は予想を裏切るものではなく多少残念だが、中身は面白かった。目的が覇王という特殊な設定だが、思春期には皆あるであろう「自分は特別」という思いには共感できる。

  • 一度目、ハードカバーで読んだときはなんだこの結末、つまらない着陸しやがってと思ったのを思い出した。
    文庫化をきっかけに読み返した今思うのは、平凡というのはこうやって必死で闘って勝ち取るものなのだなぁということ。特段の疑問を抱かなくても平凡を手にできる人間もいるけれど理屈を突き詰めて闘った末に勝ち取る人間もいる。どちらも素晴らしいこと。

  • ジャンル分けが難しい作品だけど、最後まで読んで思うのは青春小説だということ。他ではない成長物語です。

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著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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