血の轍 (9) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館サービス
3.83
  • (9)
  • (15)
  • (16)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 368
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098607013

作品紹介・あらすじ

大増ページ!毒親と息子の壮絶すぎる記憶!

家に乗り込んで来た伯母の追及に対し
遂にしげるを崖から突き落としたことを認めたママ。
狼狽する父、激昂する伯父、修羅場と化す居間…
頑なに謝罪をせず出頭しようとするママに
静一は必死に追いすがる…
しかしその先に待っていたのは、静一の“心”の思わぬ覚醒だったーーー!?



【編集担当からのおすすめ情報】
累計110万部(紙+電子)を突破、更に勢いを増す本巻は通常よりも大増ページ!!ついに罪を認めたママと、これまでにない精神状態に突入する静一…その時、心の深淵から「ある記憶」が蘇る!?超必読!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 個人的にあまりにもよすぎて先ほどAmazonにレビュー投稿してしまいました…以下はその内容です。
    *ぼんやりとしたネタバレあります。詳細は書いていないですが読むと何が起きたかはわかってしまうと思います。

    ------

    毒親を描いた漫画として非常に秀逸ながら、これで静子が逃げおおせたらただの胸糞漫画になっちゃうな…と思っていたのでひとまず安心しました。
    ですがこの巻のよかったところはそれだけではなく、毒親のいる子供が抱える葛藤を抜群のリアリティで描いており核心をついている巻であるところだと思います。
    静子のような親を持つ子供はいつも親の影に怯えています。
    1巻の崖のシーンでそのことが当事者以外にもよくわかるように描かれていますが、学校でも、取調室でも、静一は自分の意見を言うことは許されず「ママが言ったことがすべて」なのです。
    「ママの言う通りにする」これは言った瞬間には本心だと静一は疑いなく思っていますが、静一自身の本質が全く隠れた、支配された日常から生まれる発言に思います。
    やはり静子のような人格破綻者でも親は親であり、子供は見捨てられることが怖く、そのことを利用して成り立っている主従関係が静子と静一の親子関係だからです。
    静子がいない間にホッとして心から安堵した笑顔を浮かべる静一も秀逸で、その後の母親の影が過ぎるまで自分の欲を満たし続ける姿もリアルでした。
    この話の刑事さんや、もっと前なら吹石さんのような、母は今いないんだ、干渉できないんだと安心させつつ介在する他者の存在がいかに重要かを再確認できました。
    絵柄も絶妙なホラー感と現実と妄想を入り混ぜた表現が作品の雰囲気に合っており、毒親に接したことがない方でも楽しめるファンタジーとしても楽しめるよい漫画だと思います。

  • 親戚の追求に自分が突き落としたと白状する静子。
    たちまちその場は修羅場になり警察に行きましょうと。
    捜査が始まり静一も参考人として聴取を受けることになるが……
    崩壊を始める静一の精神世界。
    実況見分に呼ばれた静一は
    状況再現で閉ざされた記憶が覚醒する。



    静子が逮捕された後に家の中を見渡すと汚い、汚い。
    ここからして何かがあるんだろうな~ってのは見て取れる。
    静一は母親に洗脳されてるからアレだけど
    こんな汚い家の中なのに
    旦那は何とも思わなかったんだろうか?
    旦那もちょっと…。

    毎回、何とも言えない‶間〟と描写が凄い。

  • もーなんか自分が母親になるのにこれはきつい
    愛着関係が偏ってる

  • 最初は読むのがしんどかったけど、静一と静子以外も絡んできて、展開に目が離せない。

  • 静子が警察に自首、自白。
    静一も事情聴取、実況見分となる。

    そこで思い出されるのは自分の子どもの頃の出来事だった。

    怖い→気持ち悪いを越えて、人の深層心理に近づいてきた感覚。
    がんばれ静一!!

  • お父さんはここまでヤバい女性だと気づかずに結婚したのかしら?

    死んでる猫のくだり何回も描くよなーと思ったらこれだもの。。。

  • 苦しいよぉ。

    母親が悪なのか。

    親戚は悪ではないが、ずるい。


    繊細な心を理解しようと努力しないと、壊れていってしまうのか。

  • 毎巻エゲツなくてだんだん耐性がついてきてしまっている自分に困惑。

  • 状況が少年の内観を促して。

  • もはや芸術の域だと思う、この漫画。精神分析の知識があるのだろうか。暴かれる過去、精神異常をきたす静ちゃん。感情の発露はいつも”顔芸”となるが、誇張しているわけではない。母親の無軌道っぷりは見ていて驚くが、だけどこれこそが”現実”という気がする。父親も情けない、逃避傾向のある人間でこういう家族多そう。

    吹石さんとの関係性がどうなっていくかなど、次巻が本当に楽しみだ!

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

★漫画家。2002年、講談社ちばてつや賞ヤング部門の優秀新人賞を受賞。翌年、別冊ヤングマガジン掲載の『スーパーフライ』にてデビュー。同年より同誌に『アバンギャルド夢子』を連載した後、ヤンマガ本誌にて『デビルエクスタシー』などを連載。2008年より漫画アクションに連載した『漂流ネットカフェ』は、テレビドラマ化された。翌2009年より別冊少年マガジンにて『惡の華』を開始し、大好評連載中。

「2011年 『NEMESIS No.5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

押見修造の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×