トクベツキューカ、はじめました!

著者 :
  • 岩崎書店
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784265840496

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  •  千葉県のとある小学校の校則には、1年に1回学校にも親にも理由を伝えずに休めるというトクベツキューカ制度なるものがある。

     1年に1回だけ使えるこのキューカ。

     登場人物である小学生達はどんな日に使うのだろうか。

     そしてトクベツキューカは、トクベツな日に使うのか、あるいはトクベツキューカをとる日はトクベツなことが起こるのか。

     休みをとるということにたくさんのトクベツが詰まった作品です。

     児童書ということで、文字数、ページ数は少なめ。でも、読む児童に理解ができないといけないという要望もあるはずで、書くのは相当大変だろうなと思う児童書の本作品を読んで思うのは

     そんな休暇、私もほしい!

     何?この冷やし中華はじめましたくらいのノリのタイトルの作品?くらいに思われるかもしれませんが、日々、有給休暇なんて病欠休みの保険くらいにしか思えない私には羨ましい休みやないか!と思ったのが本作品に対する印象です。

     さて、そんな気持ちで読み進めていくと、キューカは全てトクベツなもの。

     些細な休みでも、君といればトクベツというものもあれば、トクベツな友達と過ごす休みもトクベツ、何なら毎日がトクベツなのかもしれません。

     そんなそれぞれのトクベツキューカに触れると、私はそのトクベツキューカをどう使いんだろうなぁ…と読みながら考えるようになりました。

     そして、結論としてでたのは

     トクベツキューカを使ってまでやりたいことや、使いたいことがない

     という悲しい事実でした。

     日々に追われていのか、1日誰もいないところで何も気にせずゴロゴロしたい!と思っても、仕事が気になって休めそうにない。

     友達と遊びたいと思っても、その友達とは疎遠。

     小学生の時なんか、休みになったら1日ゲームができるとか、目を輝かしていたし、友達と遊ぶのも楽しかったし、友達が転校すると悲しかった。

     そう。

     全身全霊で思いっきり生きていたなと思います。

     そんな記憶があるだけでも私は幸せなのかもしれませんが、今は仕事はもちろんしてますし、楽しいと思うこともありますが、あんなに全力で生きていただろうか?と思いながら。

     実は無邪気な頃の日々そのものがトクベツであり、トクベツキューカとは私にとってはあの頃の日々なのかもしれない。

     そんなことを思うアラフォーでございました。

     そして、今からでもトクベツキューカをはじめることはできるかもしれないと思いました。

  • 1年に1回、どんな理由で休んでも良い「トクベツキューカ」という制度がある小学校が舞台。
    使い方は人それぞれ、家族旅行やイベントへの参加、友だちと遊ぶため、なんとなく行きたくない日、などなど。
    理由を親や先生に伝える必要はなく、いつ休みを取るのかも児童本人の判断に委ねられるこの休暇制度、本当にあったらいいのになぁと思う。

    子どもって毎日忙しい。
    そんな気も休まらない日々の中で、このトクベツキューカが切り札として手にあるだけで、気持ちが楽になったり、もうひと踏ん張りできる力になると思う。
    自分だったら、どんな風に使っただろうかと考えると、わくわくしてくる。

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著者プロフィール

千葉県出身。2011年、函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終候補作に残る。15年、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』でデビュー。著作多数。2021年、『さよならの向う側』が話題になり、連続ドラマ化も決定。近著は『さよならの向う側‐i love you‐』。

「2023年 『風と共に咲きぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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