分岐駅まほろし

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 461
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538204

作品紹介・あらすじ

「人生の分岐点はいつですか?」後悔を抱えた者たちはある駅へ…。ヒット作『さよならの向う側』の著者が贈る号泣ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • あるはずのない分岐駅まほろし。
    その駅に行くには三つの条件があって、一番重要なのは、過去に戻ってどうしてもやり直したいと思うくらいの強い後悔を抱えていること。
    もし、過去を変えたとしても現実には何の影響もなくて、違う選択肢の人生を知るだけ。
    ファンタジーの世界。
    全五話の物語がある。

    違う人生を知っても、今は変わらない。
    だけど心の中はみんな穏やかになっている。
    今を否定せずに生きている。
    最終話の「もしも、あの時」の中でのことばに
    「過去を変えたわけでも何でもないのに、本当に救われた気がするんだ…」というのが偽りのない気持ちだと思った。
    今のこの世界を前を向いて、笑って生きようと…。

    振り返ることが悪いわけではないが、どうにもならないこと。
    だからこそ、違う選択肢にも興味はある。
    でも結局は自分自身の行動でこれからを明るくすることはできると思った。



  • 分岐駅まほろし…そこにたどり着けたものに共通するのは、過去に戻れるなら戻ってやり直したいという強い後悔の思いを抱いていること…ただし、過去を変えられたとしてもそれは、それは現在の生活に影響することはなく、別の選択をしたとしたらどうなったのかを知ることができるだけ…それでも、分岐駅まほろしを訪れる人のストーリー。

    今がどんなに恵まれているのかを、それぞれのストーリーの登場人物は知ることになる…過去は変えられなくとも救われる…そういうものなのかもしれない、そんな風に感じました。当たり前の日常だけれど、そこにはかけがえのない生活がある…そんなことに気づかせてもらえた作品でした。

  • タイトルの通り、人生の分岐点で、もしあの時こうしていたらどうなっていたんだろうのポイントに戻って
    もう一つの人生を経験できる。戻った時には現実は元のまま。今があることの価値の大きさをあらためて知り。

    サクッと読めて、心温まる読後感

  • 読み終えて、涙のかわりに鳥肌が立った。
    戻りたいと強く願う程の後悔、もしもその分岐点に戻れたとしたら…私にもある。
    もしもあの時…と何回、何百回考えたか分からない。
    でも過去は変えられないし、今を生きていくしかない。
    だから、私も時には後ろを向いたまま後ろ向きに進んでみよう。
    それでもいいんだと思わせてくれた本でした。

    • コルベットさん
      翠さん、こんにちは♪いつもありがとうございます。「もしもあの時」を考えはじめると、過去のいろいろなシーンを思い出します。なかには後悔を伴うも...
      翠さん、こんにちは♪いつもありがとうございます。「もしもあの時」を考えはじめると、過去のいろいろなシーンを思い出します。なかには後悔を伴うものもいくつか。出来ることなら戻ってやり直したい。でも、たしかに、その思いを抱えたまま、今を生きていくしかないんですよね。
      2023/09/14
    • 翠さん
      コルベットさん、こんばんは。
      こちらこそいつもありがとうございます(^^)
      色んなもの抱えながら、時に吐き出しながら、生きていきましょうね。...
      コルベットさん、こんばんは。
      こちらこそいつもありがとうございます(^^)
      色んなもの抱えながら、時に吐き出しながら、生きていきましょうね。
      今の自分だからコルベットさんにコメントいただけたんだとまた明日を生きる力に変えていきます。
      2023/09/14
  • 「もしあのとき違う選択をしていたら…」
    誰しも考えたことがあると思う。
    ある条件を満たせば辿り着くことが出来るという「分岐駅まほろし」では、過去に戻って「もしも」の人生を体験することができるという。

    もしもの告白、大学合格、夢のあきらめ、病院へ連れて行ったら。
    後悔を抱えながらも変えられない人生。
    それでも知りたいと願った“もしも”の選択の先にある人生を生きてみて、何を目にして何を思うのかーー。

    少しの後悔もない人生なんてない。
    取り戻すことの出来ない過去は変わらないけど、気持ちや考えは変えられる。
    それぞれが後悔の先に出会う温もりにじわりとくる。

    『いつも通りが一番なんだよ』
    の言葉が沁みた…。
    みんなが後悔に囚われたままじゃなく、救われて良かった。

  • 人生の分岐点
    私にもある。
    あの時違う選択をしていたらどうなってたかな。
    見てみたいような
    見たくないような。

    あっという間に読了。
    みんながそれぞれあったかい。

  • 自分にも戻ってみたい過去があり、その分岐点で違う選択をしていたら…と想像しながら読んだ。
    過去を変えることはできないけど、その時出来なかったことを体験できるなんて羨ましい。
    全く後悔のない選択なんてないのかもしれないけど、その時のベストだと思う物を選んでいくしかないんだろうな。
    第3話、第5話が特に良かった。

  • 人生の分岐点に戻れるまほろし駅。
    今とは違う選択肢を選んだ人生を知ることが出来るけれど、一切現実を変えることは出来ない。
    5つの連作短編で私は2章と5章のお話がすごく心に残りました。5章は涙なくして読めなかった

  • 悪くない話なのに文章が下手くそすぎて入り込みにくかったです。後半の話に行くにしたがって大分マシになりましたが、最初の話の奥さんが40歳そこそこなのに、話し言葉が「なにしてんだい!早くご飯食べちまってよ」「なにやってんだい!」とかなので、ラピュタのドーラかと思いました。そんな口調の女見た事ないです。
    でも全体的には悪くない空気感もあり惜しかった。なんだかんだ今が一番いんだよという短絡的な結論ばかりなのもつまらなさに拍車を掛けていますが。

  • Amazonの紹介より
    「あなたの、人生の分岐点はいつですか?」
    分岐駅まほろし――。
    それは満月の夜だけ現れるという不思議な駅。
    過去に後悔を抱えた者たちが行き着く場所だとか。
    もしもあの日、あの時、過去の分岐点で違う選択肢の人生を歩んでいたら……。
    これは素晴らしき人生の物語。
    切なくも温かい、心に沁みる「永遠の感動ファンタジー!」
    「もしもあの時、告白をしていたら」
    「もしもあの時、第一志望の大学に合格していたら」
    「もしもあの時、夢を追わなければ」
    「もしもあの時、病院に連れて行っていたら」

    明日から前を向いて生きる勇気が生まれる――これは、間違いなく、素晴らしき人生の物語!




    清水さんの作品を読むたびに、いつも人生を見つめ直すことが多く、癒やされたり、思い出に浸ったりと落ち着いた気持ちにさせてくれます。

    今回も、人生を見つめ直させてくれます。あの日あの時、ああしとけば、もしかしたら成功していたかも…と何度思ったことか。

    現実としては、無理な話なのですが、もしもこのような駅があったなら、一度ぐらいは体験したいなと思いました。
    試したところで、変わるわけではないのですが、ないものねだりで、もしも・・もしも・・と思うばかりでした。

    人間誰しも山あり谷あり後悔ありですが、それもまた人生で割り切っていかなきゃいけないなと思いました。
    登場人物5人の人生を垣間見たのですが、他人の人生を覗き見ることで、みんな苦労して生きているんだと深く噛み締めました。過去は変えられないのですが、現在から未来へは色々試すことができます。人生色々ですが、より良い一歩を踏み出したいと思いました。

    良い作品だと思ったのですが、個人的に違和感もありました。
    というのも、分岐駅まほろしでは、主人公が過去の分岐となったところへタイムスリップをし、別の進路を辿るのですが、それぞれ体験する期間はバラバラです。

    1ヶ月もあれば、1年や10年など様々なのですが、いざ現実になった時、あっさりと現実を受け止めているのが、ちょっと「?」でした。
    1日だけならまだしも、何十年という長い夢の生活を体験しているのに現実では一瞬の時間なので、そのタイムラグにちょっと違和感を感じてしまいました。

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著者プロフィール

千葉県出身。2011年、函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終候補作に残る。15年、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』でデビュー。著作多数。2021年、『さよならの向う側』が話題になり、連続ドラマ化も決定。近著は『さよならの向う側‐i love you‐』。

「2023年 『風と共に咲きぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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