タイタス・アローン (創元推理文庫 534-3 ゴーメンガースト三部作 3)
- 東京創元社 (1988年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488534035
作品紹介・あらすじ
初めてゴーメンガースト城を出たタイタスにとって、外界の事物はあれもこれも耳目を驚かすものばかり、とりわけ、誰一人ゴーメンガーストの存在を知らぬことは、彼の誇りを打ち砕いてしまった。遍歴の途次出会った女の愛を斥け、彷徨を続けるタイタスが最後に見出したものは?幻想文学の山脈に冠絶する最高峰が、ここにその巨大な全貌を現わす。
感想・レビュー・書評
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ゴーメンガースト三部作、第3巻。
3巻では、1、2巻の、中世ファンタジー的世界とはまるで違う、現代的な世界でストーリーは進んで行く。前2冊とは厚みがまるで違う(半分ほど……)ので、展開はスピーディに感じるが、あの過剰なまでの描写が薄くなってしまったのは残念。著者の健康状態が思わしくなく、亡くなるまでにそう時間がかからなかったことを思うと、矢張り体調がかなり影響していたのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
訳:浅羽莢子、原書名:TITUS ALONE(Peake,Mervyn)
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ルネサンス絵画の地獄のイメージやら、シュールレアリズムの荒野やら(エルンストぽいイメージ)、ヘンリー・ダーガーの賑やかな虚無やら…読んでると自分の知る限りのイメージが歪んでいろんなバージョンで出てくるわけです。
出てくる人は大体自分勝手でおまけに狂ってるし。なんなんだこの世界は!!!
でも最後の1ページにとてつもない開放感を覚えるはず。
ついでに語彙も増えるよ! -
前2作品は必読。箱庭からガラリと豹変する世界。
ある意味これが最も衝撃的な内容。 -
城が出てこないと魅力半減。「大事に育てられた田舎の旧家の跡取り息子(無骨で無礼で空気読めない)が都会に出て自分がただの馬の骨であることを思い知らされ右往左往する」普通の成長物語になってしまっている。
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ゴーメンガースト城を放逐されたタイタスが遍歴の末行き着いた先とは?過去のトラウマを呼び起こす幻惑的な彷徨の果てに・・・
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陰気なファンタジー。3巻目。