- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784867161401
作品紹介・あらすじ
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」様々な人たちの最後の再会を描いた5つのエピソードで紡がれる純度100%の感動小説。
感想・レビュー・書評
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第5回未来屋小説大賞第4位作品。
しかし、残念ながら僕にはあわなかった。
死んで1週間経った時点で現世に24時間戻れる。そこで希望する人に最後に再び会うことができる。ただし、現世で会えるのはその人が死んだことをまだ知らない人だけ、という条件がある…
そのための待機場所が「さよならの向う側」だ。
様々な最後の再会を描いた5編の短編。
その部屋の案内人は死んだ人が一息つけるよう、なぜかマックスコーヒーを提供してくれる。
千葉県限定販売のご当地缶コーヒーである「マックスコーヒー」。
今は缶コーヒー全般を飲む気がしないから全くそそられないけど、昔は千葉県に遊びに行って、自販機なんかで見かけると「おお、ちばっ!」って結構テンション上がったなー。めちゃくちゃ甘いんだよなー。必ずお土産用に余分に買ったなー。懐かしい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集みたいな感じで、最初の話しはまぁまぁかなーと思った。そこからどんどんどんどん上がっていって、最後は泣いた。
切ないけど、爽やかと言うか、、。
あっ、この人さっきの話しで出てきたあの人!!って言うのが嬉しいくらいハマりました笑 -
ずっと、ウルウルで読み進めました。
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
死後「さよならの向う側」で、案内人から、そう言われます。
《人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って、会いたい人に会える時間が与えられる。
ただし、その中で会えるのは、あなたが死んだことをまだ知らない人だけ》
こう続けます。
いきなり言われても、直ぐには、会いたい人が思い浮かびません。
案内人は、それを、うまく誘導して、最後に会いたい人を見つけ、生前に言えなかった事、できなかった事を解決し、納得させて、扉の向こう側に、送ります。
案内人は、
中学の理科教師の彩子の最後は、あまりにも愛おしいものだった。
漆器職人の息子の山脇は、最後に
親とのわだかまりを解消して素直になることができた。
猫の幸太郎も、最後に最愛のご主人との別れを果たすことができた。
歌手の美咲は。さいごにこの世界に歌を残して、人とのつながりの大切さを教えてくれた。
命はどれも一様に美しかった。
尊かった。
そして儚かった。
と、思い出します。
そして、その案内人も、死後、ただ一人の人に会いたいと、切に願って、叶えられず、案内人となって、40年待って、漸く、一番会いたかった人に会います。
「待つのは、嫌いじゃないですから」と
今日も「さよならの向う側」に来た人に、ポケットから、案内人の報酬の缶コーヒーを渡すのでした。
死後に、本当に、会いたい人に会えるなら、私には、一人、会いに来て欲しかった人がいます。
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良くも悪くも普通。
展開が想定の範囲内。
お涙頂戴…までいかず、どこかで見たことあるようなファンタジーだね、に尽きる。 -
読後、じんわりと温かい気持ちになる。
短編なんだけど、すべての話が少しずつつながっていて、それもまたよかった。
でも母として、第一話の彩子の幼い子を残していかなければならない胸の内を考えると、苦しくなる。でもつらい別れの書き方ではなく、未来に希望がある書き方になっている。
人はいつか必ず死ぬ。死んだあと、自分の想いに寄り添ってくれる案内人がいる『さよならの向う側』が本当にあればいいなと思った。
今ある幸せが当たり前ではないことを再認識させてくれる。 -
連作短編集。絶妙なタイミングで繋がり、スッキリする読後感。最初から泣きそうだった。
自分ならどうするだろう、誰に会うだろうと考えながら読み終わり。大切な人に会いたくなった。最後はお礼とか思いの丈を伝えられたらどれほど幸せなんだろう。 -
泣いた…。こういうお話弱い…。映画の黄泉がえりを思い出しました。特に幸太郎から最終話まで泣き…。
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他者にどれだけ影響を与えているかによって、現世に対する未練のようなものが大きくなるのだろうか。幼い子供を置いたまま、あの世に行かなくてはならない辛さ。大事にしてくれたご主人様を置いて逝かなければならないペットの想いなど。涙が自然と出てくる物語であった。
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しんみりと温かい読後感。
軽い読み心地で読みやすく、でも読めば読むほど味わいが増していく感覚でした。
死後、一日だけ元の自分の姿で会いたい人に会える。話せるのに触れられるのに、だけど会えるのは自分の死を知らない人だけーー。
なんて苦しいルールなんだろう…。
短編ごとに味わいは違うけど、一つ一つの物語に感情を揺さぶられました。
母親としての思いには共感して苦しかった。
「放蕩息子」「長い間」では、特に切なくてウルウル。
コロナという大きな脅威を体験した今、より心に響いてくる作品でした。 -
いいお話だった。案内人さんの人柄もそれぞれの人の心情変化も温かいものがある。最後の話が個人的には1番好きかもしれない。