きれいな絵に反して衝撃だった。作者の後書きを読むと登場人物のそれぞれの悩みが差し迫ったものになって苦しくなる。
「男を降りた」。慧ちゃんの言葉の真意を知りたくて読み進めるけど、最後まではっきりとは分からなかった。ただ、「男」である自分の体や思考、それに囚われてしまっている自分への嫌悪、そして加害性への自責がひしひしと伝わってくる。
その「男」は幼少期からの経験で深く刷り込まれてきたものであって簡単に逃れられないが、見て見ぬふりもできない作者の心の叫びがぶつけられた作品。男性による男性性の苦しみを表現した作品に初めて出会った。苦しくなるけどとても美しい絵だから成立してる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年4月18日
- 読了日 : 2024年4月18日
- 本棚登録日 : 2024年4月18日
みんなの感想をみる