惡の華 (8) (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社 (2013年6月7日発売)
4.00
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本棚登録 : 1012
感想 : 66
5

思春期の少年の暴走と葛藤を描いた青春劇。

中学編での奇行といい、高校編での周囲に馴染めない孤独感といい、
つくづくこの主人公には共感を禁じ得ません。
「どうしてそう恥ずかし気もなく楽しそうに生きられるのか?」
僕も幾度も考えたことです。(今でも考えることがありますw)
そんな孤独を抱える主人公ですが、見た目ほど不幸ではないようにも思えます。
何故なら、短い人生で二人も理解者を得ているから。
同じく、新ヒロインの常盤さんも幸せでしょう。
隠した趣味を共有できる相手(主人公)を見つけたのだから。

ただ、この二人の蜜月も決して安寧なものではないのかもしれません。
まず、常盤さんの彼氏のコージ君。非常に分かり易い下品さを携えて
本巻より登場した彼ですが、その類い稀なる品性を持ってして
間違いなく二人の関係を複雑なものにしてくれることでしょう。
(第一印象が悪すぎるので、彼には早々にご退場願いたいものですw)
次に、元彼女の佐伯さん。笑顔で毒を吐く彼女の姿には、
主人公以上の混沌を感じました。
彼女との再会は、主人公の新たな葛藤を呼び起こすことでしょう。
そして、未だ登場せぬ仲村さん。。。。などなど。
まだまだ、予断を許せませんねw
今一番、続きが気になる漫画です。早く次巻が読みたいっw



以下、どうでもいいことですが、
高校時代、就職のための面接練習では「趣味は読書」が禁じられてました。
理由は、「読書=内向的」だから、とかだったかと思います。
成程、あの頃の高校教諭達は、上っ面だけで人を選ぶ現代社会を
暗に示してくれていたわけだ。
主人公が暴走するのも理解できる気がします。
本作に対する社会の反響も気になるところですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヒューマンドラマ
感想投稿日 : 2013年6月8日
読了日 : 2013年6月8日
本棚登録日 : 2013年6月8日

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