死者の饗宴 (ドーキー・アーカイヴ)

  • 国書刊行会 (2019年5月24日発売)
3.40
  • (0)
  • (5)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 119
感想 : 5

10年も前の話、口封じしようと訪れたわたしたちに死にかけた男が語ったのは、ビルマ奥地の神殿からルビーを盗み出した者に執拗につきまとい伝播する呪いだった…(「悪夢のジャック」)、神経症のため海沿いの田舎町で静養していた男は、その土地のただならぬ不吉さを察知するが…(「悪い土地」)など、表題作の中篇ふくむ全8篇。とらえどころのない違和感が積み重なってじわじわ神経を逆なでする「ブレナーの息子」がダントツに嫌な感じで好き。ブレナーからの手紙が届いた朝、裏庭で地面を掘っていたというなにげない一文に不吉な意味づけをしたくなる。「ふたりの提督」は、世界が裏返る感じが非常に面白くてC・プリーストっぽいと思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 怪奇幻想
感想投稿日 : 2019年6月1日
読了日 : 2019年5月31日
本棚登録日 : 2019年6月1日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする