死者の饗宴 (ドーキー・アーカイヴ)

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336060655

作品紹介・あらすじ

20世紀英国怪奇文学における幻の鬼才、
知られざる異能の物語作家、ジョン・メトカーフ。
不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた
怪異談・幽霊物語・超自然小説の傑作を集成する
本邦初の短篇集がついに登場!

〈要注意! 錯乱と妄想、腐敗と穢れに満ちた世界に触れたくなければ、本書を読んではいけない……〉横山茂雄

その刹那、わたしの眼に映った息子の顔に浮かんでいた恍惚の表情は美しかったが、同時に年老いてもいた……少年と彼に取り憑いた正体不明の存在〈あれ〉との顛末を妖しく語り、読者の想像を超える衝撃的な結末を迎える代表作中篇「死者の饗宴」のほか、〈サトレジ号でたぶん1898年だった〉という謎の言葉と不気味な子供に翻弄される男を描く狂気に満ちた怪異談「ブレナーの息子」、ビルマの神秘な力を持つ宝石と護符をめぐる奇妙な物語「煙をあげる脚」など、知られざる英国怪奇文学の名手による異形のホラー・ストーリー、幽霊物語、超自然小説を厳選した全8篇。

感想・レビュー・書評

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  • ドーキー・アーカイヴの最新刊。
    伝統的で王道の怪奇小説。ここまでオーソドックスな『怪奇小説』は久しぶりに読んだ気がする。海や船にまつわるストーリーが多いのはホジスンを思い出すが、ウィリアム・H・ホジスンとジョン・メトカーフ、恐怖の種類はけっこう違うような気がするなぁ。
    解説によると、ジョン・メトカーフ、残念ながら本邦で纏まった紹介がなされたことが無いらしい。このまま国書が纏めて出してくれるといいのだが……。

  • 2022I059 933.7/M
    配架場所:A2 東工大の先生のコーナー

  • 突然置いてけぼりをくらうような話も多かったけど、全体的によくわからない、不可解でじんわりした怖さを味わえたので満足。
    「ブレナーの息子」がいちばん分かりやすく好きな話かもしれない。

  • 短中編。タイトルの「死の饗宴」が良かった。というより他のがよくわからなくて、ページ数を取ってじっくり書けばよりいい物が書ける人なんではないか?所謂編集者が必要なタイプ。→息子(少年)がどぅーも変な人に惹かれてしまった。正体は既に何年も前に死んだ人で、若者エキスを生きる糧としてるようで。取り付かれて知人の屋敷にこもる少年。恐ろしいのはそこの主人が自分の子供らは避難済という。主人公の問いかけにものらりくらり。多分宇宙人なんでしょうなあ。子供エキスが食糧なんだよ。

  • 10年も前の話、口封じしようと訪れたわたしたちに死にかけた男が語ったのは、ビルマ奥地の神殿からルビーを盗み出した者に執拗につきまとい伝播する呪いだった…(「悪夢のジャック」)、神経症のため海沿いの田舎町で静養していた男は、その土地のただならぬ不吉さを察知するが…(「悪い土地」)など、表題作の中篇ふくむ全8篇。とらえどころのない違和感が積み重なってじわじわ神経を逆なでする「ブレナーの息子」がダントツに嫌な感じで好き。ブレナーからの手紙が届いた朝、裏庭で地面を掘っていたというなにげない一文に不吉な意味づけをしたくなる。「ふたりの提督」は、世界が裏返る感じが非常に面白くてC・プリーストっぽいと思ったり。

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著者プロフィール

1891年英国ノーフォーク州生まれ。カナダ、ロンドン、スコットランドなどで暮らした後、ロンドン大学で哲学を修めて教職に就き、第1次世界大戦中は英国海軍歩兵師団、陸軍航空隊に所属する。戦後教員に戻り余暇に小説を書き始め、短篇を文芸誌に投稿、1925年に『煙をあげる脚』を刊行、好評を博す。同時期にアメリカの新進作家イヴリン・スコットと結婚。その後短篇集『ユダ』や幾つかの長篇を刊行するが、精神病院への入院を繰り返し、極度の貧困のなかアルコール依存症苦しみつつ1965年逝去。

「2019年 『死者の饗宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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