陰陽ノ京 月風譚 弐 雪逢の狼 (メディアワークス文庫 わ 1-2)
- アスキー・メディアワークス (2010年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048688215
感想・レビュー・書評
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メディアワークス文庫になって、主人公が賀茂光榮に変わっていたんだね。 あんまり特定のキャラが主人公という感じではなく、陰陽寮の関係者みんながメインキャラクターという感じの物語なので、あまりそういう変化に気がつかなかった。
慶滋保胤と同じように賀茂光榮も、違った方向性だけど見てて気持ちのいいキャラクターなので、安心して読んでられる。 ふと思ったんだけど、腐女子のお姉様方には賀茂光榮と住吉兼良とのカップリングとかおすすめじゃないかと思ったりしたんだけど、腐女子的にはどうなんだろうw
それはさておき、陰陽の京はどの物語もそうなんだけど、思いの悲しさのようなものが通底していて、読み終わった後は何とも言えないしんみりした気分になってしまう。 こういう独特の雰囲気のある物語はあまり無いような気がするし、今後もまたいい物語を紡いでいってほしいと思う。
賀茂光榮は今のところ相方と言えるようなキャラが住吉兼良しかいないんだけど、今後もこの方向で物語は進んでいくんだろうか?
それはそれでいいんだけど、いよいよ女っ気がなくなっていくなぁというのが気になったり -
猿の妖を倒すため、安倍晴明は摂津の国に出かけます。ところが、猿の妖には乾戌彦(いぬい・いぬひこ)という外法師の魂魄が宿っていました。猿は、「雪山鏡」という呪具に封じられていた、狼の姿を持つ戌彦の識神・白山を復活させます。
こうして、外の世界へと飛び出した白山は、京へ向かうと住吉清良を襲い、陰陽寮の導師たちに宣戦布告します。白山と対峙することになった賀茂光榮は、誇り高い白山を好敵手とみなし、ともに正面から力を競い合います。
ところが、戌彦を猿の化け物の姿に変えた、水魚という外法師が、白山を騙してその身中に瘴虫をもぐりこませ、自分の手駒にして貴族たちを襲撃しようとします。
光榮と白山が正面からぶつかり合う戦いも良いですが、両者の背後に控える兼良と水魚という、ともに一癖も二癖もあるキャラクターがいい味を出していて、物語の厚みを感じさせます。 -
摂津に出張していた安倍晴明は、妖退治に行っていたのだが
その妖が封じられていた別の妖を開放してしまった。
開放された妖:狼の白山を晴明は知っていた。
舞台は京に移り、白山は陰陽寮の道士を襲い始める。
それは20数年前に端を発していることだった。
光榮と兼良が出張るのだが、そこには前作で兼良が追い詰め
寸でのところで男を連れ去った外法師:水魚が絡んでくる。
妖と人間との心の交流。最低最悪の外法師との対決。
そして最後は・・・泣けるんだなぁ~。早く続きが読みたいです。 -
今回も、いいお話でしたね~。
風月譚で、風は光榮、月は兼良で、2人が主人公とか思っていたのですが、活躍しているのは、ほぼ光榮ですね。
しかし、大元の「陰陽ノ京」のお話が始まってから、驚くぐらい少ししか時間が経過していないのがわかりました。
この年、京の町は、大混乱の年ですね。
このすべてが、陰陽寮に権力を集中させようとする賀茂の長老あたりの陰謀だったりして……。 -
妖と人のいる世界はこんなにも美しい。
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ライトノベルはめったに読まないのですが、このシリーズは続きを楽しみにしてます。美しい文章と、心に残るストーリー。ライトノベル世代以外にもおすすめしたい作品です。
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シリーズ2作目