書斎がいらないマジック整理術 (講談社+α新書 139-1C)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062721752

感想・レビュー・書評

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  • この愉快な本は、
    劇団ひとりさんが教えてくれました。
    (雑誌を通して、ね)
    やっぱり面白い方は、面白い本を知っているのね。

    著者はあの、コメディマジシャン「ナポレオンズ」の
    背の高い眼鏡をかけているお方、です。

    特にメモでアイディアを…の頭の中の整理についてが、
    感心しきりで、さっそく吾輩の人生にも導入したい。

    一方、この方は小さな頃から何かに手を加えてカスタマイズする、
    と言うことがお好きらしく、
    私がやるか?と言うとうーん(えーと…面倒…)と言うこともあったけど、

    昨今のお片付け本にあるように
    とにかく「捨てろ捨てろ」という訳でもなく、
    「発想を転換してみよう!」と言うスタンスで、
    とにかく親切に、惜しげなく全部教えてくれているところが
    嬉しかった。

    また、やはりマジシャンと言う職業柄もあると思うけれど、
    「読んでいる人を楽しませよう」としてくれているのが
    感じられ、また実際楽しめた!

    いつかピーター・フォークさんの自伝を
    読んだときと、とても似た読後感。

    もったいぶったりせず、一緒に楽しくしましょうと言うのが
    いいな。

    いろんなものが整理されていくと、
    感性が磨かれていく、と言うことが書いてある。

    感性を磨くには、
    好きなことを探求すること、
    より探求しやすくするために、整理がある、と言うの、
    私、承知した!

    ボナさんは、とても優しくて面白い人、みたいです。

  • ※2004.4.17売却@Book Off

  • 仕事は循環作業

  • マジシャンのナポレオンズのボナ植木さんの書いた新書で、子供が育って書斎が子供部屋に取られる所などが一緒で共感を持てた。また、文体も新書で最も軽く面白く感じてとても面白かった。どこでもデスクは作って見ようかと真剣に考えている。

  • メモの書き方やクリアファイルの使い方は参考になりました。
    上から目線の本より、自分が考えた仕組みの一つの紹介という本はストレスが溜まらずに読めるのがよいです。

  • まず読む前に、この人はマジシャンであってサラリーマンではないということを念頭に置く必要がある。
    そして、サラリーマンがこの方法を実践するのには疑問が残る。

    書斎は必要か否か。
    著者は否、と答える。

    それでは、自宅におけるワークスペースはどう確保するのか。
    個人的な実例を紹介している。

    書斎で「知的作業」をしたことがない著者は、書斎を持ち運び可能な箱に納めることを思いついた。その箱さえあればどこでも書斎に早変わりするのである。

    目新しいと言えば目新しいが・・・「あ、そう」で済んでしまいそう。
    妙に論理のこじつけが目立つ。読む必要のない文章が多すぎる。まわりくどい。
    そのくせ実がない。

    ダメ本まではいかないが、普遍的価値は少ないと思う。
    それは著者自身がこう書いている。「本書は、小難しい理論はさておき、自分はこうしているということを列挙してあるようなものです。(中略)この本に書かれたことが、みなさんすべてにあてはまることとは思えません。でもその中で「これは使える」と、一つでも思ってもらえれば幸いです(p17)」


    ○(p6)
    「はたして今までの人生で、「書斎」といわれる空間や「デスク」でクリエイティヴなことをしただろうか?
    したことといえば手紙を書いたり、書類の判別やら事務的手続き、マジックの資料を探したり、しいて知的作業といえばパソコンで文章を書くことくらいです。本すらデスクで読んだことはありません。
    書斎にある「デスク」といえば、単にその上に書類や文具などで山をつくるだけです。
    「デスク」は、ほんとうに必要なのでしょうか?
    はたして「書斎」は必要なのでしょうか?」

    ★ 「書斎で知的作業をしたことがない」という個人的な事情から書斎不要論に至る。
    著者が編集者と話をしていて「ちょっと目新しいから出版しちゃいましょうか。」となったのが手に取るようにわかる。
    おそろしいのは読者をなめているところだ。
    「おまえらもそうだろう」「どうせ散らかってるんだろう」「書斎なんかいらないじゃないか」「だからこんな方法もあるんだぜ」「やってみろよ」そんな声が聞こえてくるようだ。
    マジシャンという職業の特殊性は書斎を必要としないのかもしれない。いや、マジシャンでも書斎を有効に活用している人はいるはずだ。


    ○(p8)
    「金銭的にも空間的にも、無理して「書斎」をつくる必要はないと思うのです」

    ★まぁこれは正しい。トイレと違って、書斎を無理に持つ必要はない。
     問題はこの次の文。

    ○(p8)
    「書斎部屋があるから物が増え、重要なものが行方不明になるのです。デスクがあるから、その上がゴミの山になるのです。」

    ★ 必ずしも、書斎を持つ人みんながそうではないだろう。
     それは個々の管理能力の問題である。書斎を持っていても重要なものは管理可能だし、デスクはゴミの山にはならない。むしろ、書斎すら管理できない人間が、はたしてどれだけ仕事を管理できるのか、またどれだけ部下を管理できるのか。
    そんな突っ込みが延々と続く。この人の問題点は個人的意見にすぎないのに、さも普遍的な価値のある一般論のように述べるところである。
    だから読んでいていらいらするし、感動も少ない。

    著者は今までかなりの整理術や書斎術の本を読んできたと吐露する。
    しかしそれにも関らず、著者の書斎部屋では物が増え、重要なものが行方不明になり、デスクの上はゴミだらけという。
    それはつまり、著者は整理術の本を読んでいないのである。それでも読んだと強弁するなら、何一つ吸収できていないのである。右から左に受け流しているに違いなく、整理術を何一つ実践していないのではないかと疑いたくなる。
    整理ができていれば上のような事態は絶対に起きない。断言できる。

    著者は「私がこんなに書斎を持つ価値のない人間ですよ」と自分をさらしてしまっていることに気が付いていないのだろうか。

    著者は書斎で本を読んだこともない、勉強もしたことがない。知的作業といえばパソコンくらい。
    マジシャンというアイデア勝負の職業ではこの方法は可能だろう。
    しかし、ビジネススキルを高め、資格取得をするために勉強を重ねるサラリーマンにははたして向いているのか。疑問を抱きながら読み進める。


    ○(p18)
    「私の整理術(ここでは知的生産術)のタネあかしは、
      『メモ帳を持って、歩く』
    これだけです。(中略)
    それと、もう一つ重要なことは
      『パソコンを使う』
    ということです。」

    ★上でみたように、著者の整理術の一つ目は「メモ術」である。

    ○(p36)
    「とにかく大事なことは、「つねに考えている」ということと、「メモをすぐ取る」ということです。」

    ★ 歩くというのは確かに発想を得やすい行為であるらしい。
     科学的には明らかにされていないが、外山滋比古も『思考の整理学』で書いていた。
     二度と同じ発想が得られるかどうかは定かではないので、思いつけばすぐにメモる行為はすごく正しい。

    ○(p44)
    「メモにはいろいろな目的があります。私がここでいうメモの目的は、基本的に大きく分けて三つあります。
    (1)記録
    (2)するべきこと。いわゆるhave to do もの
    (3)アイデア」

    ★ 著者はリングメモを使い、to do(□印)とアイディア(☆印)をそれぞれメモの表表紙、裏表紙から書いていく方法を紹介する。
     メモはダブルクリップで挟み込み、ペンを差し込んで常にポケットに忍ばせておく。
    使い始めの日付を書き、一冊終わったら内容をワープロソフトを使って☆印のメモだけをパソコンに入力する。日記もパソコンに記入する。人に会ったらその時の話などを記入しておく。時系列で入力しておき、独自の分類もする。
     う~ん、リングメモ程度ならパソコンに入力するのも比較的簡単かもしれないが、これはめんどくさい作業だ。

    このように著者の整理術の第2は、パソコンを使って情報やメモを保存する方法である。
    ○(p89)
    「素材を得るのにはメモが基本と言いましたが、保存管理にはパソコンが基本です。」

    ★では何を保存管理するのか。著者はまずメモの内容を挙げ、日記、書類、道具、写真、手紙、住所録などの所在情報をパソコンに入力することを提案する。
    そして家にある「物」を基準に従って分類収納する。
    (1)CHファイル(クリアホルダーを二つ組み合わせて袋状にしたもの)
       書類、領収書、手紙などの薄っぺらいもの
    (2)箱ファイル(段ボール箱などでよい。)
       使わない財布、ACアダプター、ヘッドホン、ゲーム、写真などちょっと大きなもの
    (3)棚
       本 雑誌 名刺帳 ビデオ CD 説明書など形のある程度決まっているもの
    (4)デスク
       文房具、現在進行中の仕事の書類と資料
    いろいろなものを形状や用途に合わせてそれぞれ分類する。その所在情報をパソコンの中に入れると、検索しやすい。

    ○(p146)
    屏風棚の作り方

    ★この屏風棚の発想は本書の画期的な点である。
     本棚を4つ、それぞれ蝶つがいで組み合わせ、キャスターを付けておく。
     使わないときは屏風のように折りたたんで部屋の隅に置いておけるが、使う時は広げればいいだけなので構造的にシンプルである。

    ○(p150)
    「この棚の利点を箇条書きにすると、
    (1)占有面積が少ない
    (2)スライド式の棚にくらべ、いっぺんに閲覧できる
    (3)使用する部屋の構造によって間仕切りとして使える。子どもが兄弟で勉強する時は広げて、終わって二人で遊ぶ時は片づけるという使い方もできる。
    (4)デッドスペースに入るサイズにすれば、そこはもうデッドではない

    ★この屏風棚はうらやましい。地震や転倒対策は必要だが実用的である。
    ただ、この棚の値段を調べたところ18万円…自分で棚を組み合わせたほうが安くつく。
    ○(p153)
    「実は、この家全てが「書斎」なのです。
     私の「書斎」の概念は、自分の本、デスク、パソコン、資料などを、一つの部屋に置いておく理由はないということです。」

    ★要は書斎という「部屋」をなくし、「家」全体で物を管理する。
    場所をパソコンに入力さえしておけばすぐにどこに何があるかわかる。

    ○(p154)
    「閉鎖的な過去の書斎が消え、家全てが書斎ということで生じたメリットとして、家族各自が部屋に閉じこもって出てこないようなことがないこと。資料を見に子供の部屋に行かなければならないし、そこで作業することもあります。また子どもたちも、点在している棚に見たいものがあれば見に来ます。コピーやパソコンは共有ですから、部屋に閉じこもって鍵をかけ、何かしているということもありません。実にいいことばかりです。」

    ★デメリットは自分の空間が得られないということに尽きる。多感な子どもには辛いものもある。

    ○(p158)
    「「どこでもデスク」(中略)
    トランクを開けるように、蓋となるデスク部分を倒すと、目の前の下の段にはA4ファイルが入るスペースがあります。」

    ★つまりこれは、縦620ミリ、横700ミリ、幅230ミリの板を組み合わせて箱のようにしてあり、それに蓋がついて開閉できるようになっている。(著者はこれをMTD・マジックトランクデスクと言う)
     やりかけの仕事や作業のA4ファイルを立てて並べることができる。文房具の入った箱や封筒が収納できる。
    この箱を持ち運びすれば、家のどこにいても仕事ができるようになるというものである。これも奇抜なアイディアであった。書斎は消え、デスクも消え、後にはトランク様の箱が一つだけ残った。

    以上がこの著者による「書斎がいらないマジック整理術」の全貌である。
    パソコンで情報を管理しつつ、物も管理する。やりかけの仕事はMTDのなかに放り込む。家の空いているスペースでMTDを広げれば書斎は必要ない。家全体が書斎なのだから。

    読み終わって、この整理術はあまり参考にできそうにないなと思う。
    著者にとっての整理の方法であり、万人に応用のきく方法ではない。パーソナルベストは必ずしもパブリックベストではない。

    無駄な内容を詰め込みすぎている。もっと内容はスリムになるはずなのに。

  • 「なるほどと納得するは隠し方持てるネタはホルダーで整理」

  •  メモ術、参考になりました。線を引くな。シンプルイズベスト。「自分の身体についている機能の一部」(p.49)賛同申し上げます。

  • 書類管理は同じ方法を実践していたけど、スケジュール帳自作アイデアは面白かった。でも残念ながらPCにリスト作る程マメな性格じゃないので悲しくも星3つです。

  •  世の中には「整理マニア」「収納マニア」というのもおるのじゃな。

     こういう本を買う、わしもその一人かもしれぬ。

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著者プロフィール

ボナ植木(ナポレオンズ)

1952年。東京生まれ。専修大学マジック・サークル出身。
コメディマジシャン・ナポレオンズのマジック担当。
1977年、大学の同級生パルト小石とコンビを組みプロデビュー。
日本各地はもとよりヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アフリカ、中国などでも公演。各国のテレビにも多く出演。

1988年オランダ・ハーグでのマジックのオリンピックといわれている国際大会で第三位。
第五回花王名人大賞新人賞受賞。
浅草演芸大賞奨励賞。
文化庁芸術祭演芸部門優秀賞受賞。
第15回東京スポーツエンタメ芸能特別賞
など受賞歴も豊富。
また日本テレビの長寿番組『笑点』演芸コーナーの代表格でもある。

2021年秋、相方を病気で亡くし、
70歳にして新人のピン芸人マジシャンとなる。

「2022年 『70歳からの価齢なる人生の楽しみ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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