- Amazon.co.jp ・本 (812ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062734462
感想・レビュー・書評
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何度か再読。単行本で読み、未完が決定した講談社文庫完全版を読んで評価が上がった。未完になってしまったというより未完にさせちゃえwみたいな演出。
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「飛雲城伝説」半村良
伝奇ロマン長編。土色。
架空の史実をベースにする国造り物語。
まず何よりも、頑健緻密に組まれた架空の設定が圧倒的。
舞台はおそらく1500年頃の日本、戦国時代の真っ直中。
辺土の地に居を構える狩原家の台頭を軸にしてストーリーが進みます。
いかにも日本人好みといえる、名君・鈴女と各々味のある重臣たち。
いいですねぇ、ありきたりと言えども痛快至極。
民の基に立つ「扇の国」は順風満帆にその勢力を拡大して行き・・・
というところが前半まで。
後半で一気に半村ワールドに・・・、北方王国なる異国の地と、京の大王家の対立が表面化。
永遠の若さを持つ百歳童女・八十女を端にして舞台は神々の戦乱へとなだれ込みます。
前半の戦国武将快傑譚はどこへやら、こんな摩訶不思議世界にしちゃってこの後どうなっていくんだぁ~!と思わせる読者を煙に巻いて・・・
未完!
そうきたか!
812Pに渡る大長編ですが、展開の妙に魅せられてすらすらと読了してしまいました。
ガチガチの歴史小説ではなくファンタジー色が織り混ざっているので、それなりに読みやすいかと思います。
まあでも未完というのはそれはそれで良いのかな?
壮大でした。 -
H20.9.2.IBF.180