成功することを決めた―商社マンがスープで広げた共感ビジネス (新潮文庫)
- 新潮社 (2011年3月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101348612
作品紹介・あらすじ
三菱商事の一社員のひらめきからはじまったSoup Stock Tokyo。食の素人が熱意だけで立ち上げたこのブランドは、いまや数十店舗を構え、急速な成長を続ける。しかし、その陰では数々の困難が立ちはだかっていた。社内ベンチャーとしての壁、スープ開発の苦悩、難しい店舗選び-。その企業理念が多くの共感を呼ぶ、今一番熱い会社の起業物語。
感想・レビュー・書評
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最初から成功しているわけではない
でも結果的にうまくいくということはその人の人脈とか人間性なんだろう
今やどこの駅にもありすぎるカフェ店やファストフード店を減らしてスープストックトウキョーのような店が増えてほしい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
食事に行くなら、こじんまりとした夫婦2人で切り盛りしているような個人店と決めており、チェーン店では食事をしたくないと思っている個人商店好きですが、スープストックの無添加にこだわった商品(スープ)作りには興味があった。
一人の商社マンの「やりたい、やってみたい」から始まったブランドだが、企業として大きくしていこうとすると、個人商店のやり方ではやっていけない、しかし「ファミレスやファーストフード店とは一線を画したものを作りたい」。企業性と個人性の追求のはざまで悪戦苦闘しながらも、企業の成長と個人の成長の両立を目指す理念には共感する。
先行きが不透明な時代、これからますます個人としてどう生きるかが問われるような気がする。大変な世の中を生き抜いていくためのヒントが本書にはちりばめられているように思う。特にやりたいことはないけど、なんとなく就職しようとか、大企業に入ってしまえば将来は安泰などという価値観はもう過去のものになりつつある今、「この仕事がどうしてもやりたいからこの会社に入る。入りたい会社がなければ自分たちで作ればいい」というような考え方をする人がもっと増えれば、著者の言う世の中の体温が上がっていくのかもしれない。 -
マーケティングテクノロジーフェアでスープストックトーキョーの広報の方のご講演を聞いて感動してスープストックトーキョーの伝説の企画書を読みたいと思ったら本書に掲載されていた
こんな会社で働きたかった感動した
そして「秋野つゆ」はペルソナじゃない←これはあらためて書きたい -
ビジネスでも何でも、まずはご自身がやりたいっていう情熱があって、何かしらのストーリーがあって、遠山さんって人間が大好きなんだなーって思います、この方素敵です。
今後は利益重視や消費経済ではなく、こういったニッチでも人間の五感や感情に触れるそういうビジネスや文化にみんなが力を注いで、それらが栄えていく、人間としての豊かさに触れられる社会が広まるといいなーと思います。
スープストック東京のファンとして、地元の駅にお店が欲しいですー! -
三菱商事の、いちサラリーマンが、起業家としての今に至るまでの軌跡が書かれている。
このネット記事を一読して、思わず頭を抱えてしまった。
2018年、ビジネスは「共感」から「素直」の時代へ スープストック創業者が描く次の一手 #仕事始め https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/2018-giraffe?utm_term=.idEBRBvxA
――自分たちのビジネスにとって、最大のリスクは自分の中に理由がないことをやること――
から始まる記事。
目下、自分自身に翻って考えると、ひたすら落ち着きたがっている。安定した仕事に就いて、「普通の」家庭を築いていける、そんな暮らしに憧れる毎日。もちろん、自分のことなので、どうして、そういう思いに至ったのかは、痛いほど理解しているし、否定をするつもりも無い。むしろ、そんな、ささやかな幸せのある日々は、努力しないと手に入らないものである、とわかった今、むしろ応援したい気持ちもある。
しかしながら、そこには、諦観が強迫的に求められているような感覚がある。家庭の為には仕事を犠牲にしなければならない、というような。これに対しても、別に、家庭を守ることができれば、全然良いのだが、それにしても、現在の私の状況を鑑みると、その犠牲が余りにも大きくなってしまっているということだ。
自分の中に理由があるとか無いとか、そういう、観念的な話で、キャリアを語る余裕は無いし、気持ちもだいぶ薄れてきた。自分が願ったところで、思うようにいくことなんて、本当に皆無だし、それが続くと、元来、抱いていたはずの願いも、何だったのか、よくわからなくなってくる。
そこでいて、っこの遠山さんは、「どうしてそうなっちゃうの?」「もっと普通でいいのに」と自身の感覚に根差した考え方で、自身のキャリア、人生を切り開いていく。起業家になる人、って皆そんな感じだよね、やっぱ、違うんだね~と切り捨てることは簡単だが、わずかでも、そういう感覚が自分の中にもあるんじゃないか、と思ってしまう分には、羨ましく思っている節があるんだろう。
それにしても、遠山さんほど、社会関係資本に恵まれてもいなければ、華麗な学歴、社歴も私には無い。自分らしく生きる、ということはどういうことなのか、遠山さんの話はとても示唆的な文章であったが、ちょいちょい、この人はエリートなんだな、と思う話が出てくる。協力してもらった人が、すごい著名人で、かつ複数人居たりする。
感覚的にも、自分とは違う、って思うところもちょいちょい出てくる。代官山が住みやすい、とか、都築響一の「TOKYO STYLE」が好きだとか。見事に、真逆の感性を持っている人だな、と思った。
とはいえ、ただのエリートが書いた本でした、はいはい、と言って読み終えたくないくらいには、私は若さはないとも思う。
やっぱり、前々から思っていたけど、「自分の為に使う時間」ってのがとても生きていく上で、大きなエネルギー源になるんだな、って改めて思った。この話の最初のきっかけとして、個展の成功、がある。この個展は、ビジネスとは関係ないものだが、そこでの自分発信で、着想からアウトプットまで持って行けた、成功体験が全ての始まりとなっている。個展をやること自体には、特別深い意味は無いのだろう。しかし、そこには確かな情熱が塊としてある。情熱を自分で醸成する、ということ。これが何よりも大切な、大事にしなければならないものなんだろうな。
個人性と企業性がマッチした時に、人生の幸福度は一気にあがる。その為には、個人性を磨いておく。そうしていると、良い「気」が?巡ってきて?企業性とシンクロする瞬間が訪れ、また、自然と捉えることができるのだろう。。 -
業種が違えど、起業したい人にはオススメかと思います。起業し、企業に成長させ、成長し続けるのは大変だ。
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俳句や短歌のように制限があるからこそ際立ってくるものもある
そのものに個性があるのか -
スープストックができるまでを
丁寧に綴っている本。
丁寧であり、シンプルが故の分かりやすさ。
それがこのお店の成功につながっているのかな?と思えるほど
お店のコンセプトがストンとささる。
そして、
一番パワーをもらえた言葉は
「成功する事を決める」という言葉。
自分自身で「○○する」ってことを決めることが大事。
何にもいい訳ができなくなるし、
誰の性にも出来なくなる。
そして新しいことをするときには
うまくいくかどうかではなく
どうやったらうまくいかせられるのか。
目的を持つと人って強いんだなと感じる一冊。
「意義」「やりたいこと」「やるべきこと」
この必然性が何かを考えて
そしてあとは踏み出す勇気だけ。
この3つのキーワードはぶれない軸をつくる。