- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140815175
作品紹介・あらすじ
子どもたちの生きる力を育てた"3つの教え"。(1)想定を信じるな!(2)どんなときでも最善をつくす。(3)率先避難者になる。東日本大震災の被害から児童を守った「いのちの防災教育」。釜石市の指導をもとにした「自分たちの防災マップをつくろう」を収録。
感想・レビュー・書評
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未来ある子ども達のために編まれたことがヒシヒシと伝わる本。片田教授の講演では詳しく語られなかった釜石東中と鵜住居小の避難の様子が判り、より一層防災教育の成果を感じることができた。子ども達も学校の先生方も3原則を実践された。残念ながら学校管理下にない5人の生徒が亡くなり、釜石市だけで死者・行方不明者が千人を超えた事実を謙虚に受け止める教授に、最大限の敬意を表したい。
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資料番号:020237392
請求記号:374/ミ -
(2012.09.08読了)(2012.09.05借入)
副題「-大つなみと釜石の子どもたち-」
【東日本大震災関連・その101】
釜石の小・中学校では、津波にそなえる防災教育が東日本大震災の前から実施されており、東日本大震災に際して、その教育が生かされ、学校にいた児童・生徒の命が護られたという事です。授業が早く終わって自宅や海辺で遊んでいた子供たちも防災教育のおかげで生きのびることができたという事です。
この本は、東日本大震災の時の子どもたちの行動の記録と防災教育の内容が記されています。先日NHKでアニメ化して放映されたので見た方もいるかと思います。あの番組の内容とほぼ同じです。
児童向けの本なので、活字が大きく、イラストもふんだんに入っており、すぐ読めます。
東海、四国、九州方面の今後大津波が予測されている地域の方々は参考にされたらいかがでしょうか。
僕の場合は、2011年3月11日に、まさかここまでは津波が来ないだろうと逃げることなど全く考えずに、次々とやって来る余震に、3時半過ぎまで、雪の舞う自宅の庭で過ごしました。津波警報の解除された13日になって、町に出てみたら、自宅のかなり近くまで、津波が到達していたので、びっくりしてしまった、というところです。
【目次】
子どもたちが未来への光
巨大津波がおそってきた! -3月11日、鵜住居小学校の子どもたち
津波をのりこえた子どもたち -釜石の子どもたちにめばえた生きる力
こわさを知ること、逃げること -釜石の防災教育
自分の「いのち」を守るために -いま、みんなに伝えたいこと
三陸地方の津波の言い伝え①
三陸地方の津波の言い伝え②
津波と地震から身を守る資料
●犠牲者ゼロ(5頁)
あれだけの巨大津波に対しても、日頃からしっかりと備えておくことができれば、犠牲者がゼロになることは不可能ではないんだ、という事
●釜石小学校四つのケース(41頁)
ひとつめは、家に一人いて、一人で避難したケースです。ふたつめは、外で友達といたケース。放課後だったため、多くの子どもたちは友達と一緒に過ごしていました。三つ目は、家族に避難を進めたケース。四つ目は、ほかの人を助けながら避難したケースです。
●想像を超えて(71頁)
過去の経験は大事です。とくに自分自身が経験したことは貴重な体験です。しかし、自然災害は違います。人間の想像を超えて襲いかかってきます。過去の経験だけにとらわれていると、時として、大変な事故につながってしまうことを私たちは決して忘れてはいけません。
●避難三原則(83頁)
一、想定を信じるな!
二、どんなときでも最善をつくせ
三、率先避難者になる
●避難行動(127頁)
ひとには、いざというときにその場の状況は異常ではなく平常であると思う傾向があるといわれています。
ひとは実行したことがあることしか、いざというときに実行することはできません。
☆関連図書(既読)
「人はなぜ逃げおくれるのか-災害の心理学-」広瀬弘忠著、集英社新書、2004.01.21
「負げねっすよ、釜石」松瀬学著、光文社、2011.10.20
「遺体-震災、津波の果てに-」石井光太著、新潮社、2011.10.25
(2012年9月9日・記) -
★★★★★
津波から、岩手県釜石市の子どもたちを救った防災教育。
また、地震が起こってから子どもたちがどのように行動したか。
地震と津波と日本。
防災マップの作り方など。
釜石市においては、子どもたちを守るための防災教育が、結果、地域の多くの人々を守りました。
(まっきー) -
NHKのクローズアップ現代で放映された「釜石の奇跡」を見て,子どもたちの主体的な避難行動に驚くと共に,しっかりした教育や避難訓練の大切さを痛感しました。本書は,そのときの取材も含め,釜石地区の防災教育に関わってきた著者・片田敏孝氏(群馬大学院教授)がまとめたものです。
「防災マップの作り方」も出ているので,本書を読んでから,学校で取り組んでみるのもいいかもしれません。
今勤務している学校のある地域の特性をもっとシッカリ知っておかなければと思いました。