グローバリゼーション 人類5万年のドラマ (上)

  • NTT出版
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757141650

作品紹介・あらすじ

5万年(あるいは7万年)前、アフリカの大地からその第一歩を踏み出し、世界へと散らばっていった人類は、以来、お互いに再び出会い結びつきを深めていく過程で、そのプロセスを推し進める無数の手段を見出してきた。本書は、今日のグローバリゼーションを推し進める経済や技術の進歩に新たな光をあて、避けては通ることのできないグローバル社会に私たちがどう向き合い、何をなすべきか、示唆に富む刺激的な議論を展開する。ヒトの細胞から身近な生活必需品まで、いくつもの大陸や数千年の歴史を超え、私たちは見えざる糸で結ばれている。私たちはみなグローバリゼーションの賜物であり、そして「結ばれしもの(Bound Together)」なのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 考察は面白い。自分にはあまり必要の無い本であった。

  • 単なるグローバリゼーション擁護ではない。単なるグローバリゼーション批判ではない。
    5万年前に人類がアフリカを出発し、今日の世界に至る過程全てがグローバリゼーションであると定義する著者。
    歴史の具体例を取り上げながら展開される内容は分かりやすく、学生から大人まで楽しめる内容である。

  • 第1章 すべてはアフリカから始まった
    第2章 ラクダの隊商から電子商取引へ
    第3章 ワールド・インサイド-世界がその中に詰まっている
    第4章 布教師の世界
    第5章 流動する世界

  • 1)グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史』
    (文明の進化が人口増で帳消しになり、豊かになれない「マルサスの罠」とそれを打ち破った産業革命、その後の貧しい国との格差が開き続ける『大いなる分岐』を描き、人類全体の経済史を俯瞰) 
       ↓
    2)ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』
    (なぜヨーロッパ、アジアは発展したのに、南米やアフリカは貧困に喘ぎ、いつまでも経済発展できないのか。それは人種の能力差などではなく、単に地域や環境に恵まれただけなのだ、ということをタイトルになっているキーアイテムをもとに論理的に綿々と説明するすごい本)

    ときて、やっと読みました。「グローバリゼーション」とはなんなのか、歴史に基づき、包括的に説明しようという本です。

    うーん。
    経済的な意味だけでなく、世界全体の結びつきが深まることを「グローバリゼーション」ととらえて、商人、宗教家、戦士という歴史を動かしたキー人物パターンごとに歴史を記述しているのが新しい、ということのようですが。
    正直、下巻頭まで、ひたすら歴史の教科書を読まされているような感じ。あまりにも説明的な文章が続くので、若干読み飛ばしてしまった。

    下巻の最後の方、誰がグローバリゼーションを恐れるか?というくだりは、『フラット化する世界』に通じる、現代の問題意識などが面白く読めた。が、並べて紹介されていたけれど、上2冊に比べると新しさには欠けるかな。

    時間があれば、読んでもいいかもしれません。

    ちなみに上下巻とも、表紙はオーストラリア・エアーズロック近くの「風の谷」。一目でわかった。
    ということで、表紙は壮大な話にはぴったりで素敵です。

  • 最近の出版だからか今どきの文体が読みやすくて分かりやすい。ばっくりした世界の歴史を学べる。人類みなアフリカに起源をもつ、人類みな兄弟であることを論理的に解説。現代と昔を自由自在に対比させることで昔話でなく身近に感じられる。
    中国とインドが古来から密接に交流があったこと、中国人がいかに大量に移民として世界に移住していったのかなどすらすら読みながら理解できる。

  • 1360夜

  • グローバリゼーションが何もICTの発展やISOコンテナとFedexに代表される物流の発展により持たされたのではなく、グローバリゼーションが自分たちの集団の生存、欲や宗教的・思想的・情緒的情熱、あらがえない好奇心、偶然により過去5万年の歴史の中で人類が進めてきたことなのであり、グローバリゼーションが人類にとっての必然であることを本書は示している。

    本書は必然的に多くの前提知識を要求してる。少なくとも高校世界史レベルは当然として、できればトーマス フリードマンの「フラット化する世界」、ジャレット ダイアモンドの「銃 病原菌 鉄」、中東史、中世史、特にそのときの地中海経済、大航海時代に関して書かれた新書など読まれていると、本書の内容をより理解しやすくなると思います。本書の書かれ方は時系列に説明をしていくと言うよりもグローバリゼーションを進めていった集団(宣教師など)の視座で説明をしていくので、一説の中で平気で数千年ぐらい物事が進んでいくので、読み手の中に世界史的な感覚と基礎知識がないと混乱してしまうのではないかと思います。そういう点でも非常に読み手を選ぶ本なのだと思う。(まぁ本書を読もうと思っている時点でおそらく問題ないと思うのだけど。)

    ともかく知的好奇心を刺激して満たしてくれる点で非常におもしろい本であることは間違いないので、上下巻あわせるとかなりのページ数だが、それに負けない人にはお勧めする。

    個人的には今の世界のグローバリゼーションの進展、フラット化の進展は人類が次の何かに行くための母集団醸造のような気がしなくも無いのだがどうだろう。人類はグローバリゼーションの次へ。

  • グローバリゼーションは何もフリードマンから始まったんじゃないんだよ、アフリカで誕生した人類が辿ってきた、拡散、占拠、定住、邂逅という歴史それ自体がグローバリゼーションじゃないか──WTOの会議が開かれるたびに妨害しようと詰めかける反グローバリズム勢力を宥めるように、著者は膨大な資料を引きながら人類の歴史を繙いてみせる。そのダイナミズムに圧倒されながら、一方で、何かはぐらかされているような気がしてくる。拡大する格差にNOを突きつける人々が望んでいるのは、新自由主義の思想を唯物史観に包摂してうやむやに止揚することで何となく折り合いを付けて諦める、そんな事ではないはずだ。まだ上巻を読んだだけで結論を下すのは早計だから、これ以上の判断は留保して下巻に当たろう。

  • 世界貿易の歴史を紹介しながらグローバリゼーションの必然性を書いた本。

    正直、題をみるだけじゃピンとこないと思う。
    5万年なんて人間の知覚できる時間じゃない。

    しかし、そこかしこに人類の旅の歴史は詰まっている。
    日本人が使うほとんどの電化製品は世界規模のシステムの稼働によって製造され、流通し、販売される。



    人類はみんなアフリカからの旅人たちの子孫だ。
    地球を征服しきった俺たちがどこに向かっていくのか、考えるための材料になる本。

  • 「人類はずっと昔からグローバル化してきた」って言うんだけどちょっと無理矢理気味。断片的。

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