統計数字を読み解くセンス―当確はなぜすぐにわかるのか?(DOJIN選書27) (DOJIN選書 27)

著者 :
  • 化学同人
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784759813272

作品紹介・あらすじ

テレビの視聴率や血液型性格診断、偏差値、世論調査、アンケート調査から健康診断の結果にいたるまで、日常生活のあらゆる側面で接する統計数字(データ)。データとは無縁の生活を送ることができなくなった今、その意味を読み解くセンスが不可欠となってきた。本書では、データの収集方法や分析方法、結果の導き方といった統計学の考え方を丁念に解説し、批判的にデータを読み解き将来予測や意思決定に役立てるための知恵を伝授する。統計リテラシーを高めるための格好の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 身近な話題についての統計学的考え方を数式を極力使わずに分かりやすく解説している。入門書としておすすめだと思う。(HH)

  • 再読予定 queue へ 2014/08/28 3.5/5 0.5step 2010/02/25 図書館で借りた

  • 本書「まえがき」から引用する。
    「今回、DOJIN選書から『一般読者を対象として、専門的知識がなくても読め、なおかつ統計リテラシーを高める内容』という執筆依頼を受けました。私が今までに経験したことのない形で統計学を語ることになりそうなので、最初は不安でした。専門的知識なしに読めることをめざすとはいっても、たとえば確率や推測統計学の考え方を抜きにしては、お話が組み立てられません。なるべく理論に深入りせず、本質をおおまかに把握できるようにしたつもりです。図や表を多めに使って説明するようにしましたが、それでも退屈な部分がある場合には少し辛抱してください。」

  • 概念を所与のものとしてでなく、一から説明しており、とても分かりやすかった。少し統計をかじったことのある人の方がそのありがたみを認識できる気がした。

  • 改めて統計とはなんたるかを勉強し直すにはとてもよかった。

    がしかし、全く知識のない文系の人たちにとっては全然理解できないだろうな、と感じた。

  • 本当は生データを自分で解釈するのが一番良いとは思いますが、数字の羅列は読みにくいのでグラフ化されたものや平均値等に処理されたデータを読むことがほとんどです。

    従って統計数字を読むにはそれなりの知識がないと誤解をしたり、作成者の意図にハメられたり、真実を見逃すことにもなりかねません。この本ではデータはどのように処理をされていて、処理されたデータを読む場合の注意点について解説がなされています。

    社会人として統計数字を読むことが多い私にとっては参考になる一冊でした。また、相関関係と因果関係の関連性(因果関係→相関関係、逆は真ならず、p101)はためになりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・頻度がK番目に多いカテゴリーは、全体のk分の1に比例する(ジップの法則、頻度が(1/(順位のx乗)に比例)の特殊な場合である(p29)

    ・中央値とは、データを小さい順に並べたときに丁度真ん中になる値であり、極端なデータは排除されるという特性がある(p38)

    ・宝くじの期待値(200円投資が88円になる)を計算する場合には、各々の当選金に当選確率の重みをかける(p43)

    ・偏差値=50+標準化得点((データ-平均値)/標準偏差))+50(p57)

    ・統計数字を解釈するときには、常にデータの個数を意識する必要がある(p77)

    ・同じ誕生日の人がいる確率は、人数が多くなるにつれて急速に高くなる、50人もいればほぼ100%(p79)

    ・因果関係がある場合には相関関係はあるが、相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるわけではない(p101)

    ・因果関係を確認する場合には、1)データ数、2)そうでなかったデータ(例:交通事故に合わなかった人の服装)がどのようになっているのか、を調査する必要あり(p104)

    ・年収と血圧に相関があると思われる場合、年収とも血圧とも相関のある別のデータ(例えば、年齢)をチェックする必要あり(p110)

    ・バラつき度合いを「(観察値-期待値)の2乗」とするのは、1)マイナスもプラスも同じズレとして扱える、2)大きなズレはより大きく評価する、ためである(p124)

    ・起こりにくいことが起こったとする判断基準は、統計学では5%(有意水準)である(p127)

  • 学者が一般人向けに無理して書いた本の典型みたいな印象でした。
    タイトルのように、この本を読んで「統計数字を読み解くセンス」が身に付く人は、そもそもこの本を読む必要のない人ではないかと思いました。
    ただ、誕生日のパラドクスに関する部分はとても興味深かったです。自分の感覚と実際とは乖離しているものだと思い知らされました。

  • データマイニングを学ぶ前提として統計学を思い出す必要があり、借りた。個々の法則や分析法のおおよその方法について、よくある疑問を具体例として説明してくれているのでわかりやすかった。もう少し勉強してみようと思う、きっかけとなった。

  • わりと基本的なところを押さえている統計の入門書。統計をちょっと学びたいのであればちょうどよさそう。

  • 統計を初歩から見直したいなーと思っていた矢先に書店で見つけた本。

    目次を見ればわかるが、統計の基礎的な内容を平易に説明している。そういう意味ではとてもよかった。

    しかし、もう少し深いところまで欲しかったのが正直なところ。
    統計初学者が統計的感覚を身につけるためには良書。中級者以上には少し物足りなさの残る内容であるだろうか。星3.5くらいか。

    以下目次
    第1章
    統計数字はじめの一歩――データの集計と分析
    一 どんなデータがあるのだろう
    二 データの分布に現れる法則
    ●確率をめぐる話1 二個のサイコロの目の和

    第2章
    平均することでなにがわかるか
    一 平均とはどういうことか
    二 宝くじ一枚の当選金――期待値とはなにか
    ●確率をめぐる話2
    確率を具体化するとどういうことになるのだろうか

    第3章
    偏差値を正しく理解する
    一 全体の中での位置を知る
    二 偏差値はなにを明らかにするか
    三 対数正規分布の平均値と標準偏差
    ●確率をめぐる話3
    宝くじの番号、宝くじに当たりやすい人

    第4章
    データ集計のコツ
    一 集計表の見方とつくり方
    二 シンプソンのパラドックス
    ●確率をめぐる話4
    誕生日のパラドックス

    第5章
    相関関係をどう読み取るか
    一 ふたつのデータの相関をとらえる
    二 性質の異なる数値をどう扱うか
    ●確率をめぐる話5
    ロト6で出やすい数字はあるのか?

    第6章
    因果関係を検討する
    一 相関関係と因果関係
    二 見かけの相関
    三 風が吹けば桶屋が儲かるか
    ●確率をめぐる話6
    薬の有効・無効

    第7章
    もっともらしい結論に惑わされない――検定
    一 検定とはなにか
    二 違いの大きさを測る基準
    三 奇妙な一致に統計学はどう答えるか
    ●確率をめぐる話7
    野球選手の打率

    第8章
    全体の姿を推しはかる――推定
    一 標本とはなにか
    二 得られた結果をどう判断するか
    三 ペンキの厚さの分布と信頼区間
    ●確率をめぐる話8
    エレガントな調査法

    第9章
    統計による予測は可能か?
    一 回帰という現象
    二 地球は温暖化しているか
    三 予測の精度を高める方法
    ●確率をめぐる話9
    確率を意思決定に役立てる――降水確率

    第10章
    健康な生活を送るための統計学
    一 正常と異常の境目
    ●確率をめぐる話10
    検査結果の確からしさ
    二 安全性の判断

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