電子書籍の作り方 (ポケットカルチャー)

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  • 技術評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784774145051

感想・レビュー・書評

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  • この本は、シロウトさん相手の本ではないですね。電子出版を事業としてやっていくに当たって、作業の手順をどう組んでいくか、何処で効率化していくかと言ったことが、前半の主題でした。… とまあ、一シロウトとしてはその様に読んだのですが。

    後半は、実際にePubの電子書籍を作ってみる実践編ですが、かなり細かい点まで詳しく書いていると言った印象でした。… あくまで印象ですが。

    電子書籍のフォーマット、ディバイス、ストアの組み合わせが複雑なことになっているのは、なかなか頭の痛い問題のようです。

  • 【電子書籍フォーマットの変遷】
    1969年の「GML」から始まり、SGML(1986)、HTML、OEBPS1.0(1999)、XHTML1.1(2001)、EPUB2.0(2007)という一本の流れとして見ることができる。
    ちなみにEPUB2.0(2007)は名称変更する前の標準化団体「Open eBook Forum」が策定していた「OEBPS」の後継規格。

    【電子書籍フォーマットの種類】
    海外のフォーマット
    ・EPUB
    海外のフォーマット(独自規格)
    ・AZW
    ・Mobi
    グローバルフォーマット
    ・PDF
    国産フォーマット
    ・.book
    ・XMDF

    【EpubCheck】 http://code.google.com/p/epubcheck/
    Epubcheckでエラーが出た場合、修正しなければならないが、Indesignでは対応できないため、書き出されたEPUBファイルを修正しなければならない。拡張子を「.zip」に変更して、ファイルをダブルクリックし、中にあるXHTMLファイルを取り出して直接変更することになる。

    【素材ファイルを使ってDreamweaverで編集する】
    InDesign CS3~CS5に搭載されているEPUBエクスポーター(EPUBファイルに書き出す機能)は、テキストだけの文芸書などに適している。
    InDesignから書き出したEPUBファイルの修正作業は、XHTMLとCSSを編集する作業。この工程については、Webオーサリングツールを使用したほうが効率化される。編集作業には、業界標準オーサリングツールAdobe Dreamweaverが良い。

    【Adobe DreamweaverCS5とSigilについて】
    Dreamweaverは、電子出版のアプリケーションソフトではないので、InDesignのようにEPUBファイルに書き出す機能が搭載されていない。
    そこで、「Sigil」というオープンソースのオーサリングソフトを使用する。

    *Dreamweaver用の「EPUB書き出し」が開発されればSigilは必要なくなる。

    【●】
    個人が出版するセルフパブリッシングの分野では、ライセンス料などが一切かからないEPUBが有利。仕様がオープンになっているため、メジャーなアプリケーションソフトにEPUB書き出しの機能が搭載されたり、ブログ感覚で作成できるブラウザベースの編集ツールなどもさらに増えるだろう。

    【電子書籍に適用されるDRMのバイナリ化/交換用のフォーマット】
    電子書籍には、
    ・素材データのフォーマット
    ・ソースファイルのフォーマット(人間が読み、編集するための)
    ・バイナリフォーマット(機械が読み、高速処理するための)
    がある。

    EPUBの場合は、バイナリフォーマットについて定義されていないので、配布される最終ファイルも人間が読み、編集することができる。

    【電子書籍ワークフローの肝はアセットマネジメント】
    InDesignの電子書籍フォーマットの書き出しは「PDF」と「EPUB」のみですから、Mobiや.bookなどのフォーマットには、組版データから抽出した素材ファイルが必要になる。EPUBに関しても、修正作業の規模によっては、素材からソースファイルを編集していく流れのほうが効率的な場合もある。つまり、素材ファイルを電子書籍における「アセット」として管理していくことが重要になってくる。

    【●】
    EPUBファイルを検証するツール「FlightCrew」 http://code.google.com/p/flightcrew/

  • 主にePubの編集方法に的を絞った解説書。非常に実用的で、かなり参考になる。ただしInDesign・DreamWeaverによる編集を前提としているので、それらのツールで紙媒体の編集やWebサイトのデザインをした経験がある人向きかもしれない。InDesign→DW→Sigil のフローを用いているが、これ以外のやり方もある。『電子書籍で生き残る技術』(オーム社)も参考のこと。

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著者プロフィール

Instructional Designer, Adobe Community Evangelist
インストラクショナルデザイナーとして講座企画、IDマネジメント、記事執筆、講演などを中心に活動。
2012年5月、電子出版専門のパブリッシャーとして電子書籍のプランニング、情報設計、デリバリデザイン等を手掛ける。
2016年より、ニューラルネットワークを使ったスタイル置換処理等の研究に着手。
2017年より、Adobe Community Evangelistとして主にAdobe Sensei(AdobeのAI技術の総称)やXD関連のイベント登壇、企業向け講演等を中心に活動中。

「2021年 『実習で身につく!新しいPythonの教科書 ~Pythonの基本スキルから機械学習の初歩まで~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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