未来の図書館、はじめます

著者 :
  • 青弓社
2.90
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本棚登録 : 154
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784787200693

作品紹介・あらすじ

地域のハブとしての役割や知のアーカイブとして図書館への注目が年々高まり、各地で多くの計画が立ち上がっているが、実際の「図書館のはじめ方」は未整備な部分が多い。

多くの図書館の整備・運営の支援に携わり、多岐にわたる図書館をプロデュースしてきた著者が、みずからの経験に基づいていま必要とされる図書館整備の手法を惜しみなく紹介する。

図書館計画の読み方をはじめとした準備、図書館整備と地方自治体が抱える課題や論点、図書館整備の手法である従来方式/民間活用方式の長所と短所、具体的な進め方とおおよそのスケジュール――。

「どのように市民の意見を集約するのか?」「選定される事業者は?」など、よくある疑問への答えも簡潔にまとめ、図書館整備の勘所をコンパクトに紹介する実践の書。図書館員や行政の担当者は必読。

感想・レビュー・書評

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  • 起業家用、生半可な人が読んでも無意味な実用書ね

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  •  図書館は私たちの社会では「公共の福祉」や「共通善」として語られる普遍的な価値に関わるからです。民主的な社会では少なくとも、私たちは自身の考えや思いに基づいて、適法な範囲で自由に生きられます。(p.85)

     図書館は、人々の「自由と権利」を保障する機関です。特に公共図書館は、経済的格差や思想的立場の違いにかかわらず、誰にでも開かれた場です。相応のコストをかけたとしても、社会的に「自由と権利」を維持するためには、図書館は欠かすことができないのです。(p.86)

    原研哉(グラフィックデザイナー)「デザインとは、ものづくりやコミュニケーションをとおして自分たちの生きる世界をいきいきと認識することであり、優れた認識や発見は、生きて世界を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはずだ」と書いている。
    クラウス・クリッペンドルフ(ペンシルバニア大学教授)「デザインとは物の意味を与えることである」(p.166)

     私はこの曖昧さ、定義づけの困難さ、そして多様な解釈と考えの共存性こそがデザインの本質を示していると思っている。さらに言うと、この曖昧さがデザインの大切な武器だとも考えている。(p.167)

     佐藤は『無くならない』で、「わたしにとってデザインとは、制作する立場であれ使う立場であれ、何かの波に乗るような、しかも見事なサーファーのようにではなく、泳いでみたり浮き輪を使ってみたり、常に移り変わる行為として、あまり大事にしすぎないほうがいい感じのものなのです。大事にしないと言うのはおろそかにすることではなく、大事にしすぎないことを大事にするような」と記している。(p.168)

     こうした、私の青春時代までの図書館での体験で共通しているのは、それぞれのライフステージにおいて、一生かかっても読みきれないほどの無数の本に圧倒される瞬間との邂逅です。歴史、人間、科学、美術、世界、そして宇宙……。それら人間の知の営みが収められた本が、眼前にくまなく広がる瞬間を目の当たりにしたとき、人は世界の広さや知識世界の深さを知ることができます。この知的衝撃に遭遇する体験を提供するというのは、図書館、さらには本そのものの非常に重要な機能だと思います。(p.202)

     圧倒的な量の書物に出合う経験は、自分が知っている知識・情報世界を押し広げます。「世の中は知らないことばかりだ」「この世界では、バッタについてだけで本を書いている人もいるのか」といったことに気づくことができる唯一の機会です。そして、図書館はそうした経験を守り、受け継いでいく「知」の番人なのです。(p.203)

  • 【新着図書ピックアップ!】図書館プロデューサーという肩書きが相応しい人物は、日本では著者だけかもしれない。今や、日本全国多数の公共図書館立ち上げを、自ら起業した会社でプロデュースする岡本真さんは、ICU卒業生。インターネットと学術の交差点で過ごしてきた岡本さんの著書から、教育・文化・地方行政・民間の力を考えよう!
    [New Book!]I think that the author is the only person to call "library producer" in Japan. Mr. Makoto Okamoto is an ICU graduate. Shall we think about education and local administration?

  • 2019/02/05 図書館
    ぱっとせず。

  • 図書館を一から作るには色々、考えたり企画が大切なことが分かった。

  • 図書館プロデューサーを自称する岡本真氏の2作目。図書館をつくるにあたっての勘どころについて筆者の経験を踏まえて余すところなく伝える。おおまかに住民視点・行政視点・議員視点にわけ、わかりやすく解説する。

  • 図書館を新規に建てるか建て替えを考えている自治体職員、地方議員、地域住民向け。図書館に限らず公共施設は大体当てはまりその点では参考になりそう。未来の図書館を考えるって感じではなかった。

  • 図書館をプロデュースする考え方や手法が惜しみなく紹介されている図書。特に「施設整備」「図書館整備」が中心。「図書館運営」はあまり中心ではないということだが、つながっていくので公共図書館の運営において勉強になる。ARGの手法が惜しみなく紹介されている。

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著者プロフィール

1973年、東京都生まれ。アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)代表取締役、プロデューサー。ヤフーで「Yahoo!知恵袋」のプロデュースなどを担当し、2009年に起業して現在に至る。日本各地で図書館のプロデュースに関わる。著書に『未来の図書館、はじめます』(青弓社)、『ウェブでの〈伝わる〉文章の書き方』(講談社)、共著に『未来の図書館、はじめませんか?』『図書館100連発』(ともに青弓社)、共編著に『ブックビジネス2.0――ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社)など。

「2022年 『司書名鑑 図書館をアップデートする人々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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