マンガでわかる アンガーコントロールガイド

著者 :
  • 法研
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865135077

作品紹介・あらすじ

怒りを上手にコントロールしてトラブルを減らす

現代社会では、正当な理由があっても「怒り」などの感情にまかせて行動することでトラブルになることがあります。
とはいえ怒りは必要な感情でもあり、なくせばよいというものでもありません。
本書では、認知行動療法の専門家である著者が、怒りの正体を知り、怒りをコントロールし、上手に自分の主張を伝えていく方法を、マンガとともに紹介します。ビジネスシーンや、家庭でのやりとりなどケーススタディも豊富。

感想・レビュー・書評

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  • 怒りをなくすのではなく、あくまでそれを上手にコントロールしてトラブルを減らすにはどうすればいいのか。認知行動療法によるアプローチも解説されているので、不安などの感情で悩む方の副読本としてもオススメ。マンガで描かれる事例や解説がわかりやすく、文章もやさしくて初学者にはうってつけの一冊。

    ぼくは全般性不安障害を患っていて、外出や病気など様々なことに不安を感じる日々を送っている。また、怒りという感情を制御できなくなることも多かった。怒りも不安も同じ感情の仲間。そこでアンガーコントロールについて勉強してみようとこの本を手に取った。これがほんとにわかりやすくて、それでいて説明も丁寧で読んでいてイライラしない(笑)

    そもそもなぜ人は怒ってしまうのか?という基本から、怒りとの向き合い方、コントロールの手法、その限界まで明快に書かれている。どうしても無理な場合の脱出法!お腹が痛いのでトイレ!は盲点だった。確かにこれは止められづらい。「5秒数える」でも厳しい時の「タイムアウト」!完璧にコントロールできなくてもいい。怒りから来るトラブルを小さくすることもまたアンガーコントロールなんだと知ることができてよかった。

    それ以外にも印象深い部分をまとめておきます。

    ・人は「(自分)ルールを破られた時」に怒り、「役割意識(上下関係など)」で感情を正当化して怒りやすくなる。

    ・怒りを感じるのは人として自然なもの。しかし、それをぶつけても得にはならない。自分に向ければ自己否定的になり、うつ病の原因の一つになることも。

    ・上司が部下を怒りでコントロールするのは得しているように見えるが、実際は部下からの信頼は失われ、仕事の効率も下がり、上司は社内で問題になり、長期的には損をすることになる。

    ・怒る人は自分にも相手にも期待し過ぎている。

    ・怒りの記録を書いてみる。出来事、行動、結果。怒りの理由とメリット・デメリットを分析する。

    ・これまでに怒りを感じた出来事の点数付けをしてみる。それと新しい怒りを比較してみて冷静に振り返ってみる。トラブルにつながるのは何点以上の怒りからか確認する。

    ・怒りの理由=認知、怒りの結果=行動。出来事に対してすぐ燃え上がる考え=ホットな認知(自動思考)に気づけば、行動と結果を変えられる。ただ、怒りという感情を抑え込むのは強いストレスになってしまうので注意。認知や行動を見直すことで、感情の現れ方が変わる。

    ・怒ることに優先順位をつける。重要な人でなければやりとりを回避してかまわない。アンガーコントロールをする機会自体を減らすのも大切。

  • 〇「腹が立つなあ」と思うのは、ごく自然なことなのです。

    ☆だからこそ、腹が立ったときにどうするか。
    爆発させ、人にぶつけるのではなく、適度にコントロールする。

    〇その二分思考が怒りを生み出す原因のひとつなんです。

    ☆黒か白で考えない。灰色がある。
    自分のこだわっているルールが破られると怒れるから、白黒で考えないようにする。
    でもこだわりてなかなか捨てられないんだよね・・。

    〇親、上司などの役割も、怒りの原因になる。

    ☆自分の役割を意識しすぎない。
    重要な部分を守ることができたら、それ以外は多少OKだと思っておく。この重要な部分は、命にかかわること、人に迷惑なこと。

    〇怒りの記録をつける。
    ①出来事 怒りを感じるシチュエーションを可視化する
    ②行動 怒りの表し方 どう行動したか
    ③結果 よい結果が出たか、あるいは問題が起きてしまったか
    ④怒ってしまうわけの分析
    固定化された考えを探る作業
    ⑤メリット、デメリットの分析

    〇怒りをぶつけると、短期的にも長期的にも損をする。

    ☆はいはいはい。そうなんだよね。
    怒りは曲がった形で相手に伝わる。
    ぶつけても相手には正しく伝わらない。どころか、「怒りっぽい人だ」「近づくと余計なことになる」みたいに、負のレッテルが貼られる。
    相手に正しく伝わるようにしないといけない。
    そうするためには?

    〇アンガーコントロール
    【すぐできる】
    ①怒るのを数秒間だけ我慢する
    ②「言わないセリフ」を決める
    ③1日だけ「怒らない日」をつくる

    ☆深呼吸して5秒待つ。
    そのとき大切なのは、その事について考えない。
    天気や食事のことなど、別のことを考えるといいそう。
    できるのかな。やってみるか。
    短く、一瞬で言えてしまうような「早く!」のような単語での言葉をぶつけないようにするといいらしい。
    なるほどねー、たしかに短い言葉は強い。
    あと、よく言われることだけど、アイメッセージで言い換える。

    【認知行動療法】
    ①怒りの強さを考える。
    ②自分の怒りと向き合う。
    ③怒らない方法を試していく。

    ☆アンガーコントロールキットを思い出した。
    あれは認知行動療法だったのか。
    使ってみようかね。
    まず、温度計をイメージ。
    分類。何度くらいの怒りか。
    そこから、怒りを感じる条件、パターンを探す。
    それがホットな認知につながっている。
    それをどう対処するかは、いろいろ試してみるしかない。

    〇苦手な相手や状況から逃げてしまう。

    ☆トイレ行ってきまーす!
    逃げてよい。
    人は変えられない。それと同じで、自分の怒りしかコントロールできない。
    相手が変わらないのは、私のせいではない♪

  • 私の中に怒りがあり、それはあってはならないものと捉えがちであることに気づく。
    以前精神科医の水島広子さんの著書で、「怒りは困りごと」の表出であるから、「怒り」を認知したら、自分が何に困っているかを内省するという文章を読んで溜飲が下がる思いだった。

    今回、千葉大の清水栄司先生による著書でさらに「怒り」という感情の付き合い方への理解が深まったと感じる。

    慈愛に満ちた清水先生の説明や表現により、何か自分に伴走してくれる存在が増えたような温かみを感じた。読んでよかった1冊。

    本来感情の1つである「怒り」は動物としての生存に関わるとても重要なものであり、それ自体を否定することはない。
    問題は「怒り」という感情との不適切な付き合い方かな。
    不適切なケースとしては

    ①自分の「正義」や「善」を信じ込み、ルールの「べき論」を唯一無二で絶対的になものと捉え、それ以外を全く受け入れない白黒二元論。

    ②自分の社会的役割を妄信するばかり、私は怒って指示支配する人、あなたは怒られて支配される人の経験、認知を持つ。

    ③怒りがないことにして「寛容な人のフリ」を続ける。

    ④自分自身の小さな怒りに気づけぬまま蓄積して、大きくなってから崩れ落ちる肥大化したエネルギーを持つ怒りの爆発させる。

    特に極端な正論論者は怖いなあ。違いや事情のある他者を許容せず、世の中グレーで成り立つことを受け容れていないから…。

    私は自分の感情に蓋をする成育環境で、感情を抑制し尽くして業務に当たる職業を選んだためそれも手伝い、相手を優先する癖がついているので、どうしても自分の気持ちに目が向きづらい。その自己犠牲と献身は結局は身を滅ぼすと最近気づく。

    常日頃、自分の心をモニターし、他者とのコミュニケーションではアサーティブなI メッセージでのやり取りを心がけることが私の場合有益だと感じた。

    信じていた大切な存在に敵意剥き出しの酷いことを言われ、され、本当に生まれて初めて儘ならない日々がながらく続いてきた。家族がバラバラになってしまった。

    自分が善であり、正義であり、相手の事情や立場は全く考慮せず、攻撃的な言動を繰り返す第三者との関わりが、私の大事な存在を根底から変えてしまったと清水先生の著作で納得。

    この第三者こそ怒りを全くコントロールせずに相手にぶつけ、認知だけでなく、歪んだパーソナリティも背景にありそうで…。私たち夫婦そろってどん底の毎日を送ってきたが、私たち家族の繋がりがいつか戻ってくる日があればなあ…。諦めもあるのだけれど。噛み合わなくなってしまったから…。

    まずは自分の心の健康を優先かな。今は何もできないし。

  • 【自己理解、実践の準備】
    ・怒りは危険から身を守るためのセンサーのものであり、身を守るために怒りを表出している
    ・だから、怒りを無視したり自分に向けたりするのは不健全
    ・本能的な怒りという反応は、理性的な「認知」で変えられることが可能
    ・怒って然るべき事柄と、そうではないことを分けることが重要
    ・怒りの記録をつけると、自分が何に反応するかわかる
    ・怒りの理由とメリット、デメリットを分析して次の行動に活かしてみる
    【コントロール法】
    ・怒るのを数秒間だけ我慢する
    ・言わないセリフを決める
    ・1日だけ怒らない日を決める
    【認知行動療法】
    ・怒りの強さを考える(温度化し、トラブルにつながるのは何度以上か考える)
    ・自分の怒りと向き合う(怒りにつながる認知に気づく)
    ・怒らない方法を試していく(スルーする)

  • ・怒りのパターンを知るそうすると、行動も変わる。
    (こういう行動をされると怒りやすい、でも相手を理解しよう→怒らなくなる)
    ・怒りを感じるとぶつけるは違う。
    感じるのは仕方ない。でも、ぶつけても何もいいことは起こらない。
    ・アンガーコントロールは、怒りが湧かないようにすることじゃない。
    怒りを認識して、それをどうするか。
    ・コントロールできるのは自分の怒りだけ。人の行動は変えられない。
    スルーすることも大事。

    ↑本の内容
    でも、実践できるかは別問題。何をしても周りの状況が変わらなかったらイライラしそう。

  • 読みやすくて、わかりやすかった。

  • 漫画も入っておりとても分かりやすい。管理職の方とか大勢の人に読んでほしい。

  • マンガもあるあるで、わかりやすかったし、前向きに参考になる。

  • 電子書籍です。貸出できます。
    LibrariE▼
    https://web.d-library.jp/eiyo/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD202104136371

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著者プロフィール

千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授、医学部附属病院認知行動療法センター長、子どものこころの発達教育研究センター長。精神科医。
1965年山梨県生まれ。1990年千葉大学医学部卒業。千葉大学医学部附属病院精神神経科、プリンストン大学留学等を経て、現職。
専門は認知行動療法。
精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、公認心理師。

「2023年 『認知行動療法でつくる 思考・感情・行動の好循環』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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