Raven: A Trickster Tale from the Pacific Northwest

著者 :
  • HMH Books for Young Readers
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  • アメリカのパシフィックノースウェストのお話。これも太陽にまつわる民話。

    世界ははじめ闇に包まれていた。
    空も水も真っ暗。人間たちはそんな冷たい暗闇に暮らしていた。そこへ一羽のカラスがやってくる。
    カラスは人間たちをあわれにおもい、光を探してやろうと思い立つ。

    川沿いや湖に沿って飛び続けていると、やがて光が見えてくる。その光は「空の族長」の家から漏れてきていた。
    カラスが岸辺の松の木にとまって見下ろしていると、美しい娘が水辺にやってくる。彼女は族長の娘で、水を飲みにきたのだった。

    カラスは松葉に姿をかえ、水の入った器に落ちた。娘はその松葉ごと水を飲む(この場面が個人的にハイライト。とても美しいシーン)。

    やがて黒々とした目、黒々とした髪の小さな子供が生まれる。カラスは男の子として生まれなおしたのだ。族長は喜び、男の子をかわいがった。

    男の子はあるとき、大人たちの集まる場所で、光り輝く箱を見つける。色鮮やかな装飾が施してある。彼がその箱を欲しがると、母は目の前に箱を置いてくれる。しかし息子は泣き続けた。

    母はふたをとってくれる。するとまた、中から箱が出てくる。さらにふたをとると、また中から箱が出てくる。そうやって次々とふたをとっていくと、部屋が光に満たされ始める。

    すべてのふたをとったとき、中には光り輝く球があった。それは太陽だった。

    「彼にその球をあげなさい」と族長は娘にいう。
    彼女がいうとおりにすると、男の子はとたんに泣き止み、しばらくそれで遊んだ。

    やがて彼は鳥に変身する。ふたたびカラスになる。カラスは太陽をくちばしに挟み、暗い空にむけて飛び去った。
    そしてその太陽を空高くに投げ上げた。こうして太陽はいまあるところにあり、人間たちは光を手に入れたのだった。

    民話の奇妙な論理によくあるように、こうした物語は、人がなぜカラスに餌をやるのか、の理由になっている。つまり、自分たちに光を運んできてくれたことに感謝するため、だそう。

    初めて読むお話だけれど、初めての気がしない。カラスと光というのは、黒と白という対照性ゆえに親和的で、他にも似たお話があるのかもしれないけれど、
    ふしぎなことに、このお話とかなりそっくりな夢を、以前見た気がしてしかたがない。

  • https://www.youtube.com/results?search_query=raven+gerald+macdermott

    Once upon the time, the Sun was not for every life.
    The Sky Chief had the Sun. He thought it is mine.
    This is the adventure about how to be shared the Sun.

  • 1994, Baby-Preschool

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